第27話 綿と布団
山の民が山の天気が悪いので出発を1日伸ばした。
俺はと言うか、育成カプセルはクマの毛皮の肉や脂肪取りを手伝わされていた。
耳をこのままなら切り落とすところだが、育成カプセルが小さなアームでメスを使い、処理をして残すことが出来た。朝の四時過ぎから始めて昼の12時に終わった。
他の皮は塩漬けされているので緊急では無いらしい。
さて、温泉は自立型万能工兵機械にそのロボットに任せておけば良い。
食料は今は余っている。
とすると、冬は寒いので布団が要る!
今から綿の木を探して増やさなくてはならない。
と言う事で輸送船トランスに各地を探索している探索機から綿の木の様なものが無いか調べてもらった。
そうすると、地球の綿の木よりも綿が凄く多い木が生息しているのを見つけたので、寒冷地帯でも育つ綿の木を移植して山彦の余っている土地の中で適した土地に植えた。
全部で50本程植えた。
それとは別に探して採取した実は数え切れない。
取った場所には綿を取った種子を植えておいた。
後は綿をとった後の種子で寒冷地帯でも増える綿の木を増やしていくだけだ。
遺伝子検査した結果、これも元は地球産らしい。
一応、50本の内の中に綿がなってる実は全部収穫しておいた。
自立型万能工兵機械ロボットに作らせてあやめと一緒に使用させた綿繰り機で綿と実を分けて、実は寒冷用とそれ以外の採取地毎に分けて寒冷地用は来年に使う用に大事に取っておいた。
その他の地域の実は取ってきた地域に適度にバラ撒いてきた。
綿は乾燥が終わるまで輸送船トランスにて保管・乾燥させる事になった。
探索機に養蚕に変わる様な高級な糸や布の原料は無いか調べさせた。
そうすると蜘蛛を飼って蜘蛛の糸で布を作っている国が幾つかあった。
残念ながら極秘の様で国外持ち出しは勿論禁止。
だが、蜘蛛の毛などの一部を採取してクローニングする事は可能だ。
だから、その採取とどういった物を与えているのか?
どのように飼育しているのか?
どのように糸や布にしているのかを徹底的に調べさせた。
その結果を動画やマニュアルにして機材もコピー品を作って温泉の湯屋の2階で飼育を始めた。
幸い、草食性の珍しい白い蜘蛛だったのであやめには受け入れられた。
雄は腹の所に横縞が1本入っているので雄雌の判別がしやすい。
なお、どうせクローンするならと糸の生産量を上げるようにと糸がより強靱に光沢も持つ様に+食料の葉の食事量が極少量でもすむ様にと寒冷地の環境にも適応できる様に遺伝子改造済みである。
葉は基本的に何でも良いが桑の葉をよく食べるので、山彦の山の方に桑畑を作った。
寿命は1年で9月後半から10月初旬にかけて糸を出し始めて、それが3月前半から後半まで続く。
糸はある波長の音を出すと糸を出し始めて、ある波長が5秒以上続けば糸を繰り出しのを止める。
特定の波長の笛は蜘蛛が糸を未だ繰り出せない内に笛を作って蜘蛛が反応するかどうかで見極める。
糸を出せる様になると頭の先が赤くなるのですぐに分かるようになっている。
糸を出す以外はその場をあまり動かず食事を続ける。
糸を出す時は別で縦に差した棒にグルグルと自分で糸を巻いていく。
途中で糸が切れても粘着糸ですぐに固まる糸を使って糸と糸をくっつけて続きから糸を巻き始める。
4月後半に糸を出さなくなった蜘蛛はその後に交尾して5月上旬頃に葉の裏に卵を10個程残して蜘蛛達は1箇所に集まって死ぬ。
この時も好んで桑の葉の裏に卵を産む。
卵は10日程で孵り、葉を食べて育つ。
それらが遺伝子調査の結果分かった。
この星特有のナノマシンは分量ギリギリで再度打って貰った。
と言うのも、徐々にこの星特有のナノマシンを打っていけばどうなるかシミュレーションした所、呪術が強くなるという結果になったからだ。
これからは暇を見て体調に問題が無く打ってから期間が空いた時に再度打っていこうと思う。
そうして幾日も過ぎていくと輸送船トランスから連絡があり、綿が布団上下5セット以上作れる様に乾燥した綿があるとの事だった。
合成機で綿を原料に布団を3セット作る様に指示して布団に使う布は化学繊維の肌触りの良い夏は涼しく冬は暖かい高機能の布を使用して、それを使ったカバーも作る事を命令した。
ついでに籾殻の枕の作成も同じ布でカバーも合わせてで3セット頼んだ。
育成カプセルはタローが1歳後半に差し掛かったので焦っていた。
最初に預けるはずが、あまりの生活環境でその改善に時間が掛かったのだ。
育成カプセルは山彦とあやめを呼び、今日この時をもって現神人様を山彦とあやめに預けると言った。
前もって聞かされていた話だが、いざとなると驚いている様な山彦達である。
しかし、一瞬後に覚悟した目をして言った。
「その大役、お引き受け致します。名前は何と致しましょうや?」
「お前達には親の役割も期待しておる。仮名はそちらで付けよ。その方が愛着もわくであろう」
「それならば…………男の子ですので太郎とさせて頂きたく存じます」
「太郎か……良き名じゃな」
「「ははぁー!」」
「それでは、太郎を筒から出すので受け止めよ」
「かしこまりました」
そう言うと、育成カプセルはタロー改め太郎をカプセルの育成液を抜きカプセルを開けた。
太郎は自分の足で外に出ると言った。
「
と言うような事を舌足らずなしゃべり方で言った。
服は急な事で用意できていなかった為、その事を言うと寸法を測らせてカプセルに戻った。
そして”次に出て来るまでに作れよ”と言い育成カプセルは仕方なく出入り口を閉めて育成液を元に戻した。
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次回は話はトイレの話だよ
次回、コンポストトイレです。
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