第6話 歓迎会
翌朝になって朝食を食べる時に楓と会ったので挨拶をしておく。
「おはよう」
楓は口の中の目玉焼きを食べ終わってから返事をした様だった。
「おはよう御座います」
「今日も実習はお互いがんばろう」
「そうですね! お互い頑張りましょう」
楓は昨日のことを思い出して闘志を燃やしながら返事をした様だ。
両手を胸の前に持っていっき、握りこぶしにした。
むん!と気合を入れている様な感じがする。
朝食を食べ終わって、学校に行き座学の時間だ。
座学は今の所は問題がない。
問題は実習だ。
船体が大きくなっただけであんなに難しくなるとは思わなかった。
実は、これはマニュアルだから難しいのであって、オートマチックなら簡単にサポートしてくれるのでマニュアル試験の難しさが分かる実習である。
マニュアル試験に合格すれば特殊一等操縦士と言う資格になるのだが、その事は知らないタローだった。
特殊一等操縦士と言うのは一等操縦士なら何でも乗れると言われているが、それは民間の宇宙船の事で、軍の戦艦や戦闘機を操縦士しようとすると特殊一等操縦士の資格が必要となる。
その事は知らないタローだった。
座学が終わり、実習の時間になった。
教官は相変わらずオリバーだった。
2回目なので、まだぎこちないが昨日よりも少しずつ上達しているタローだった。
しかしながら、まだ未熟なのは確かなので注意されながら訓練しているタローだった。
夕方になり実習が終わるとタローに宇宙ネットで連絡が来ていた。
宇宙船に積むスペアボディの件での話だった。
宇宙は危険なので一応、人格や記憶にアストラル体を移植するスペアボディを作っておこうと思うのだが、楓が言うのには其れを普通に作るのではなく身体力や脳の思考スピード等を上げて作成した方が良いとの事だったのでそうする方向に決まったのだった。
その為の俺のオリジナルの遺伝子等を持った細胞が要るのと何処まで改造するかの話し合いが必要になるのでその件での連絡だった。
オリバーに聞き、教習所の宇宙船の整備日を聞くと明後日との事で、明後日は座学と実習は短く昼の3時には終わっているとの事だったので明後日の昼の3時に此方に来てもらう事にした連絡をした。
楓にも宇宙ネットで連絡しておいた。
夕食を食べた後、先に入学していた学生が今回入学した同期生も合わせて歓迎会をやってくれる事になった。
総勢十数人の人数でソフトドリンクばかりだったが、マニュアルで試験を受ける人が1人いたので話が聞けて良かった。
◇
オーナー、楽しそうに先輩と話してるなぁ。
私はと言うと、女の先輩達から質問攻めに合っていた。
「あなたってバイオロイドって本当?」
「さあ、どうでしょう?」
「もし、バイオロイドなら、もしかして所有者はタローさん?」
そうですけど、答える義務は無いですね。
無視しましょう。
「えー、タローさんって貧乏そうじゃん。バイオロイドの所有なんて無理無理!」
無理とは失礼ですね。オーナーが勤めていた会社と元社長からふんだくった金額を聞くとそんな事言えないと思いますが?
「そんな事どうでも良いじゃん。楓さん、あなたって未だ処女?」
「何て事を聞いてくるのですか! 怒りますよ!」
どうも男子の方と雰囲気が違うと思ったら、私のソフトドリンクの中にアルコールが入っているじゃ無いですか!
他の方のソフトドリンクにも入ってますね!
誰がこんな事をしたんですか!
「私のソフトドリンクの中にアルコールが入ってますが、誰がこんな事したんですか?」
「え〜、そんなの楓さん以外の女子全員だよ。やっぱりお酒がないとねぇ」
「そうそう」
「男子はベビー世代でも若いタロー君が居るからソフトドリンクだけだけど、私達は大丈夫よね〜」
私って幾つに見られているのでしょうか?
「あの〜、私もベビー世代の若い方なのですけれど?」
「え! そうなの? じゃあヤバイじゃん!」
「楓ちゃんは今からこのソフトドリンク以外は飲んじゃダメだよ!」
「今飲んでるのこっちに渡して!」
何と言うか、隠匿の連係プレイが凄いです! あっという間に手にあった紙コップは別のソフトドリンクに入れ替えられてしまっていました。
凄い連係プレイを見せて貰って様な気がします。
あ!夕方に宇宙ネットでタローさんよりメッセージが届いています。
ああ!タローさんのスペアボディの件ですか。
これは私も参加しないといけませんね!
私も参加します! っと返信しました。
そう!参加して幼いオーナーの写真でも見られれば……ぐふふふ。
◇
ゾクゾク! ……今、ゾクゾクッとしたぞ!
何だ? 何があった? 危険な物でもソフトドリンクに入っていたか?
いや、そんな感じはしなかった!
じゃぁ、何に悪寒が走ったんだ?
こういう時の嫌な予感は外れた時がないから信用出来るんだが、今回は原因がわからない!
何だ何だ何だ! 何が原因だ?
全く分からない!
その時、宇宙ネットに楓から返信が来ているのが分かった。
其れを見た瞬間、悪寒と危険信号が最大限に鳴った!
これか原因は!
開けて見たら、スペアボディの件で参加したいと言うメッセージだった!
俺は悪寒と本能に任せて思わずこう返事と返信をしてしまった!
「結構です! 大丈夫ですので!!」
思わず!の多用と!!を付ける程の力の入れようだった。
―――――――――――――――――――――――――――――
次回の内容は泣く子には勝てない。
楓のわがまま。
ご期待あれ!
もし、出来ましたら目次の下の方にある評価の方をよろしくお願いします。
何かお気に召さないと言うかたは★☆☆を、少しでも気になるという方や普通だなと言うかたは★★☆を。何か気に入ったや続きが気になるという方は★★★を付けて下されば幸いです。
♡で応援するでも良いのでよろしくお願いします。
実を言うと★の方が嬉しいですが!
拙い出来ですが旧作も読んで頂ければ幸いです。
能力者が現れたと思ったらダンジョンも出てきました。これは・・・・・・商機ですね!
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