11

前話、数行追加修正しました。ストーリーには触らないと思います。



------------------


 グレンちゃんは酒屋と鍛治師の兼業?

 酒は仕入れてるだけで作ってないそうや。

 

 私はまだまだ飲める年やないけど、前世では接待や会社の忘年会でビール飲んだ程度なん。ビールってさ、苦いし、宴会やとぬくとなってまって「まずっ」てさ。


 だから飲めるようになったらワインとかブランデーとかちょっとええ酒飲んでみたい。

 アル中見て育ったから、酒を好きななるかはわからんけど。


 この世界の一番飲まれてるんはエールらしい。まぁビールやん?


 グレンちゃんのお店にはブランデーやワインもあるけど、匂い?あと濁り?なんや気になるねん。

 親父の酒も安酒やったけど、どれも透明度とか漂う香りが違う気がするねんな。


 何より素敵な素晴らしい刀を打ってくれたグレンちゃんにお礼したいんや。

 大好きなお酒が一番やろ。


 で、アクィラに相談して村の中の空き家になってたのを借りて酒蔵を作ろうって。

 内緒でやってグレンちゃんにサプライズしたかったんだけど、住民みんな顔見知りやさかい隠し事できんて。


 村人が変わるがわる家の補修手伝ってくれて、酒樽とか提供してもろて。 


 タブレットで調べなから、ブランデーと日本酒とワイン、ジンを作るための機材を用意するんも村人総出や。


 当然グレンちゃんも参加やで。


 婆ちゃんと蒸留機作ったり、カルロスと素材こだわったり。レギウスがブドウだけやのうてヤマモモとかリンゴとか大量に持って来てワインにしてくれって。


 最初に借りた家じゃ無理な規模やんか。

 なぜか工場並みなんを建てられちゃったよ。


「あんな!味見はあかん!じっくり寝かすんや」

 目を離すとまだまだなんを狙うし。爺どもケツしばいたろか?


 なんやかやと私は最初の装置設置と材料の選定をした程度でみんなが分業でやっちゃう。どんだけ酒楽しみなん!?


 グレンちゃんには刀のお礼で特別なん作りたかったけど、爺ちゃん婆ちゃんもカルロスもアクィラもレギウスもみんなみんな大事やから、村人全員で楽しむんでええよね。

 まぁ刀のお礼はまた違うんのも考えるわ。


 一番最初に仕上がった酒樽は私の成人まで寝かして欲しいってことで婆ちゃんのマジックバッグに入れてもろた。アイテムボックスは時間停止しちゃって寝かせれないしね。婆ちゃんなら勝手に飲まんし。


 お酒作りがひと段落して、普段のスパルタ訓練が復活した。


「そろそろ野営もしてみるか」

 ちょっとキャンプ?っぽい気軽なお誘いが来て。

 レギウスとグウェイン、デュークで山奥の谷に行くことになった。三泊予定や。宿やなくて野宿やで!!!


「俺もいきたいなー」

「保護者がいたら甘えが出るだろう」


 カシムの爺ちゃんがごねたけどレギウスがスパッと切り捨てた。

 いやな?十歳の乙女に野営なんて必要ないやろ?

 しかもレギウス達もほぼ保護者やん?


 爺さんばかりとはいえ、男三人だけはあかんて爺ちゃんがごねたのでルージュも付き合ってくれることになったわ。


 まぁ爺さんと言ってもレギウスは見た目三十代かそこらやし、グウェインもデュークも体ムキムキのイケオジィやしな。

 全く身の危険は感じんし、信用してるけど爺ちゃんがうるさかった。


「カシム、難癖つけても行かせないわよ?」

 婆ちゃんがちゃんと引き留めてくれたのでやっと出発や。


 いつも行ってる山なので走って行く。


 この村は魔獣が出やすい地域にあって山はさらに危険度が上がる。


 そんなことを行商人とか街に行った時にバードとかが教えてくれた。

 行商人はやっぱり元冒険者で気ままに一人でやってるって言ってたけど、Sランクだそう。冒険者としては引退したけど魔獣に遭遇したら当然狩るし、ギルドに売るそう。

 行商しなくてもええやん?って聞いたら、婆ちゃん達に会いたいし、旅は好きだって言ってたわ。


 山までにすでにサンドドラゴンとかワラワラ出たけど、今日はお呼びではないでってデュークがばっさりやっちゃった。死骸は置いてけないからもちろん回収や。


 山を登って降りてて進んで途中ボアやオークを倒してやっと谷に着いた。


 わりと風が強い殺風景なとこにテント出して、火を起こして。


「さて、夕飯の材料を探しに行きますか」


 面倒や、さっきのボアやオークでええやん。全くやる気にならんわ。


「キノコや木の実も要りますよ」


 んなもん、数日食わんでもええやろ。


 デュークはなぜか谷に飛び込んでって、グウェインはテントで火の番で残って。


 諦めて夕暮れの中、食材を探したわ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る