ドワーフのガラス職人
ガラスに魅入られたドワーフがいた。
ドワーフといえば鉄鍛冶が主な生業だが、彼はガラスにしか興味がなかった。日がな一日中工房に籠り、日夜ガラスの研究をしていた。
仲間はそんな彼をバカにしていたが、ある日、1匹のサイクロップスが工房を訪れた。
「我々サイクロップス族は目が唯一の弱点だ。目を守る、ガラスの兜を作って欲しい」
ドワーフは仕事を受けた。
半年後、彼は頑丈なガラスの兜を完成させる。
弱点を克服したサイクロップスは連戦連勝、遂には最強の種族である人類にまで勝利した。
サイクロップスはその勢いのまま、様々な種族を滅ぼしたが、ドワーフだけは滅ぼさなかった。
ガラス職人に利用価値があるのもさることながら、それ以上に、彼に恩義を感じていたからである。サイクロップスは、見た目に反し、義理堅い種族であった。
ドワーフ族はガラス職人に感謝し、彼を末長く崇めたそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます