しろまる目線
のりこ。
第1話 わたしは白マル
私は15歳のマルチーズ。
ご存知だと思うけど、白いの。
だから、シロマル。白マル。しろまる。白丸。
どう表記しても構わないけど、仮名でしろまるっていうのが、今日はしっくり来るな。
時々、変えるかもしれない。その時は
ついてきてね。
私がこの家に来たのは15年前。生まれて半年の頃だったわ。
この家のハタチのお姉さん、ナナミさんが
子犬を飼いたいって彼氏にそう言ったもんだから、彼氏がたまたま通りかかったペットショップのガラス越しに
私と目が合って、ビビッときたのね。
それを聞いたナナミさん、「見てみたい」っ父さんにせがんだの。
母さんは「どうせこの子の面倒はいずれ私がみることになるから、ヤダな。まぁ、会うだけならいいけど」って乗り気じゃなかった。
父さんの車に、ナナミさんと彼氏のマーくん妹のフーちゃんと父さん母さんが乗り込んでワイワイ、ホームセンターを目指したわ。
私の居たペットショップはその一角にあったの。
自分で言うのもなんだけど、私はお目目ぱっちりで、その目を黒いふち取りがアイライナーみたいに囲んでるから、可愛いの。
しかも、まだ両手の手の平ですくえるくらいの小ささ。5人の目が釘付けになって「かわいい」の連呼!
母さんは「成長したらどのくらいの大きさになるのか」念のため店員さんに聞いていたけれど、もう私を連れて帰る気満々なのが分かったわ。
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