第27話 世代交代

神様の助手をしていたサリアの娘であるユキは少しづつ能力を覚醒させようとしていた


初めは人の心が見えていただけだったのだが、次第に次の展開が見えるようになったのだ


その結果、事件が起こる前に行動に移す事が出来るようになり、附則の事態を免れるようになっていった



「僕のより凄い力だな…未来が見えるようになるなんて…最近は僕の方が助手を務める事が増えてきたしなぁ」



そんなある日、穴の空いた予言書が見つかったのだがその内容が驚愕だった



「神より強き力を持つ者が現れし時…それは神の世代交代を意味する」



「そうか…ユキが産まれた意味はこれだったのか…」


そう言って神様は目を閉じた



すると自らの身体が光出して球状の光の塊が出てきた


神様はその光の塊をユキに向かって投げてみた


するとそれはユキの中に吸い込まれていき、ユキ自体が光り輝き出した


驚くユキに神様はこう告げた


「君が次の神様だよ…僕は引退しなければいけないらしい…この死者の世界を頼んだよ」



「え?私が神様に?嘘でしょ?」



「本当だよ…そろそろ時間みたいだ…そろそろお別れだね」



神様の姿が透けている



「僕が新たな命に生まれ変わるようだ…ユキ…これから大変だろうけど…どうか…頼む」



そう言い残して神様は姿を消すのだった



この事実は死者の国全体に広まった



神の世代交代…



ユキは新たな女神として死者の国で生き続けなければならなくなった



それは家族が生まれ変わるのを見守らなければいけないと言う意味だ


何度も…何度も…


我が子に課せられた運命を知った尋とサリアだったが、彼等にはどうする事も出来なかった



そしてリョウはユキの助手として使える役目を担う事になった



諭とレジーナもまたそれを見守るしか無かった



「俺達がこの世界に来た意味がこれだったと言うのか?我が子が次期神になる為に?」



これは偶然なのか必然だったのか



その答えは誰も知らない…



その後…ユキは女神としての仕事を着々とこなしていった



考えても仕方ない…決まった事は覆らない



そんな娘達を見守る尋達は複雑な想いを抱えるのだった



尋と諭は2人で飲みながら話をしていた



「まさか死んで異世界に来て結婚して子供が出来たと思ったらその子が神様とその助手になるとは夢にも思わなかったな…」



「そうだな…残酷な運命だな…」



「俺達はいつ生まれ変われるのだろうか…」



「長くこの世界に居過ぎたようだ…元の世界に帰りたいと思えなくなったな…お互いに」



尋と諭はこの世界でこれからも生き死にを繰り返す覚悟を決めたようだ



「これが俺達の運命なら受け入れるしか無いだろ…足掻けば苦しくなるだけだから…」



そう2人は自分自身に言い聞かせるのだった

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