第2章
2-1
月曜日、泉希ちゃんに誘われて7時半に駅前で・・・たっ君を待っていた。15分程待って、来た!。たっ君だ! 自転車で向こうの通りを・・
「彼? 何してんのよー 追いかけて、声掛けなきゃー」と、泉希ちゃんは私の背中を押していたのだけど・・ 足が前に出ないし、声も・・・
そうしてるうちに、過ぎ去ってしまった。
「なんなのー みゅん せっかく 会えたんでしょ! いかなきゃー」
「うん でも・・・」
「バカ! アホ! 君の将来がかかってんだよ 踏み出せよ! ぶつかっていけって! 又 明日ネ」
なんやねん バカ アホって そんな言い方しなくても・・って だけど、泉希は私に勇気を与えてくれてるんだ。明日こそ 踏み出そう・・・
その日、放課後 不忍先生に呼ばれていた。教室で残って、待っていると先生が来て・・・私は、この先生は恐そうで・・・萎縮していた。
「うん なんだー 水島さん そのー 走るの速いそうだな 体育の先生が驚いていた。全体で5番目だったそうだが、実際は6年生 男子女子でタイムは1番だそうじゃぁないか」不愛想に言ってきたから
「たまたま 調子良かったからー」私も、不愛想に・・
「そうか 学校は慣れたか?」
「ええ 泉希とかお友達が親切だから」
「ああ 北川さんなら 大丈夫だ あのなー 君が階段の途中から飛び降りるのは 危険じゃぁないですかと 言ってきた者が居て ほおっておく訳にいかんと思ってな 今日も 昼休みに飛んでたそうじゃぁないか」
「ぁあ あの時 みゅうみゅんはオシッコ漏れそうだったの だから、急いで・・ その方が速いんだものー ダメ?」
「うん まぁ 緊急の時は・・ でも、普段でも、飛び降りてるんだろう?」
「まぁー 面倒だから・・ どうして、だめなんですか? みゅうみゅんは まわりに人が居ないの確かめてるよ そんなこと 告げ口するって なんなん?」
「なんなん じゃぁない! 怪我でもしたら 学校の立場もある」
「そんなん 生徒が勝手にやったことヤン ウチも朝 膝擦りむいちゃったー そんなん 普通ヤン ほらっ これっくらい」と、私は膝を見せていたのだけど
「水島 ちゃんと消毒したのか?」
「うん ティシユに水に浸して 拭っておいた それにツバつけといたから 平気」
「あのなー そんな時は、一応 保健室で消毒するんだぞ まぁ なんだ だからー 水島は体重は?」
「はぁー? 多分42㎏ぐらいかなー スタイルは良いよー まだ 出るとこ出て無いけど 女の子にそんなん 聞くことかぁー」私は、ちょっと、余裕が出てきていた。
「バカ・・そんな風に聞いていない でも ちょっと やせ気味かな? だからー その42㎏が コンクリートに上から落ち続けたら どうなると思う?」
「そうだね 壊れてってちゃうカナ?」
「そうだろ? 君は 学校の施設を壊していってるんだよ!」
「そうかぁー よくないネ わッかりました! 水島実海は もう 階段から飛び降りることを しません」と、私は敬礼していたら、先生も苦笑いしていた。先生の笑ったの初めて見た。
「もう よろしいでしょうか? 多分 泉希が靴箱で待っててくれてるだろうから・・」
「あっ そうか うん そうだ! 君の前の学校の校長先生に電話して どんな生徒なんか聞いたんだ。男の子とは度々喧嘩してたそうだな そうとうな 武勇伝もあるなぁー 去年の4月に 外国の女の子が入ってきたんだってな その子が いつも同じ服を着てたんで、男の子がちょっかいだして、その子も日本語があんまりしゃべれないから 黙り込んだらしいな そしたら、男の子がその子の髪の毛とか触り出して・・・君は男の子に頭から水をかけたんだって? 最初は口喧嘩だったんだけど、そのうち取っ組み合いになって 向こうは1年上らしいじゃぁないか そんなことはお構いなしで、相手が謝るか泣くまで くいさがって向かっていくんだってな 君は・・ 結局 向こうが謝ったんだけど、君はそれじゃぁ済まさなくって 人の恥ずかしい思いを感じろと 無理やり すっ裸で突堤から海に飛び込ませたそうじゃぁないか」
「はっ そんなことあったかなぁー」
「まぁ いい 僕が 感心したのは その後だ 君も すっ裸で 後ろから飛び込んだそうじゃぁないか 恥ずかしかったろう? まして女の子が・・その子に押し付けただけじゃぁないんだな 君は乱暴なだけじゃぁない とっても優しい女の子なんだなって 僕は すばらしい子だと思っている だけど 無茶はするなよ 向こうの先生も最後に言ってた 素直で良い子なんだけど、相当 手こずらせますよって」
「わかったー でも 女の子をいじめる奴がいたら みゅうみゅんは許せないからネ それと、先生 オシッコもれそうになった時だけ 飛ぶの許してネ 」
「うはっはー 君は面白いな 飛んで チビらなきやーな でも その前に授業中でも手をあげて行きなさい」と、ついに、先生が笑っていたのだ。
「先生 女の子が授業中に そんな恥ずかしいこと言えると思う?」
「まぁな 君でも 女の子として自覚はあるんだ」
「先生 それ! セクハラやでぇー」
靴箱のとこで、やっぱり泉希ちゃんが待っててくれた。
「なんの話だった?」
「うん 階段から飛び降りるなって 誰かチクッた奴がいるんだよ」
「だけどさー ウチも階段から飛び降りるのって 賛成出来ないなー」
「うん もう やめる 急いで オシッコ 行く時以外は」
「アホ そーなる前に行っとくのよー」
「またアホって言ったァー みゅうみゅんって そんなに アホかぁー?」
「そーじゃあなくって・・・博愛のつもりで言ってるんやー」
「なに? その は・く・あ・い って?」
「だからー 親しみを込めて言ってるんだよ!」
「ふ~ん そんな時にも 使うんだ」
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