人外転生ですがダンジョンで楽しく暮らします!

ちっき

第1話 クソ女神覚えてろ!

病気で死に、自称天使のバカ2人に魂を掴まれ、異世界の自称女神に渡された香織(かおり)享年21歳は自称女神の言葉を聞き殴りたくなる。


「何で魂4つも持ってきたの?3つって言ったわよね?」

「はい!私が2つ掴んでコイツが1つです!」

「お前俺が2つでお前が1つだろ!」

「ほんっっとバカなの?勇者と聖女と賢者枠しか準備して無いわよ!バカ!」

「それじゃ1個は放流しましょっか。」

「おばか!そんな事して地球の神やこの世界の神にバレたらどうするのよ!ただでさえ密輸ゆにゅ・・・ゲフォゲフォ!」

「それじゃ女神様!ダンジョンに流して適当な魔物に転生させたらどうですか?ワラワラ湧いてますし。」

「・・・それが妥当かしらね。」

 話を聞いていた香織は物言いを付ける。


「ちょーっと!何それ適当すぎでしょ!」

「何よ魂の癖に生意気ね。」

「ほら!転生特典とかチートとかあんでしょ!」

「はいはい、言語理解とストレージ付けてあげるわよ。」

「ちょ!それだけ?ほら、色々物知りなスキルとか!」

「それはさっきの賢者にあげたわ。」

「すっごい回復スキルとか!」

「さっきの聖女にあげたわね。」

「それじゃ身体能力とか!」

「勇者にあげたわ。」

「・・・なに残ってんのよ逆に。」

「えーっと瘴気生成スキルとか?」

「それ付けたらどうなるのよ。」

「人間が近寄ったら即死か魔物に出来るわよ。」

「いらんわぁ!」

「どうせ人間は無理なんだから良いでしょ!適当に何か付けて上げるから行ってきなさい!」

 空間に穴が出来香織の魂は吸い込まれる。


「ふざけんなクソ女神!一発殴らせろぉぉぉぉ!」

 木霊する香織の叫びと裏腹に最後に見えた女神の顔は、はーやれやれと言ったスッキリした笑顔だった。


「ココ何処よ・・ってダンジョンとか言ってたわね、暗いのに見えるのは魂だから?」

 ふよふよとしながらダンジョンを移動する、側から見ると人魂の様だ、いや、人魂だった。


「なーんか勝手に移動させられてるけど何処いくのかしら?何あの扉。」

 流れる先に豪華な扉がある、そのまま扉をすり抜け中に流れるとローブを着た骸骨とドラゴンが居た。


「ほーれ準備オッケーじゃ!さぁドラゴンよ甦れ!儂の手足となるが良い!」

「ちょ!待って!」

 香織の魂はドラゴンに引き寄せられ中に入り込むとドラゴンが動き出す。


「成功じゃ!ドラゴンゾンビの完成じゃ!」

「ゾンビかよ!転生したのに死んでんじゃん!」

 香織はイラッとしてローブの骸骨をぶん殴ると壁にぶち当たり砕け散った。


「あ、つぇーなドラゴンゾンビ。」

「新たなマスター登録を開始シマス。」

 目の前に黒い球体が浮いて居る。


「何これ?」

「ダンジョンコアデス」

「それで?私がマスターになるって事?」

「そうデス。」

「あの砕け散った骸骨がもしかして元マスター?」

「そうデス。」

「で、何したら良いの?」

「登録する事に了解すれば終わりデス。」

「はいはい、了解。」

「登録しまシタ、よろしくお願いしますマスター。」


「それで何したら良いのよ。」

「コアを破壊されない様守りダンジョンを生成していくのがマスターの仕事デス。」

「RPG作るみたいね、オッケーそれじゃ色々教えてよね。」

「聞かれたら教えマス。」

「何それふざけてんの?」

「そう言う者なのでしょうがないのデス。」

「ふ・ざ・け・る・なー!!!!!!」

 そして時は10年を過ぎる。


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「ふあぁぁぁ!おはよう、ベリアル君。」

「おはようございますマスター。」

「あー久しぶりに昔の夢見たわ。」

「ほう?ドラゴンゾンビになって怒り狂って、外で魔物狩りまくって進化したらカオスドラゴンに成った夢ですか?」

「・・・・ちがうけど。」

「最初は3階層しかダンジョンが無くてしょーもないと5年かけて30階層まで増やした夢ですか?」

「・・・・もっとちがう。」

「それではクソ女神に貰ったスキルが魔物専用しかなく、その中に人間に変身出来るスキルが有った夢ですか?」

「なんか説明くさいなお前。」

「はい、手っ取り早く話を進めたいと思いまして、サービスで御座います。」


「んな事はどうでも良いのよ、今日の進捗状況は?」

「はい、今日の入場冒険者は32人、10階層に居る冒険者は30人、2人は帰りました。」

「まーた10階層か。」

「マスターがあんな所にサキュバスの宿とインキュバスの宿とか作るからですよ、冒険者みんなあそこで泊まって帰りますから。」

「だってあいつ等がヤリタイって言うから!」

「そのヤリタイって意味違いますよ多分。」

「飯屋だって作ったじゃん!」

「知ってます?アレってキャバクラって言うんですよ。」

「なんでよ、あそこもナーガとサキュバスがやってんでしょ?」

「えぇ、ナーガは客の金で飲みたいだけ、サキュバスはべろべろに飲ませてお持ち帰りです。」

「インキュバスの店もあんじゃん。」

「はい、ワインタワーが入りましたーって放送で聞こえますからね。」

「・・・・今月の売り上げ幾らよ。」

「今月既に金貨268枚超えてますねぇ、新記録です。」

「おっけ!8割うちのもんだから問題無い!」


~~~♪~♪


「あ、もう17時?」

「そうですね、このダンジョン放送なんなんですか?」

「え、終わりだよっていう音楽、よくスーパーとか閉店前にかかんの。」

「スーパーって・・・なんで17時にダンジョン閉めるんですか。」

「今どき24時間営業のダンジョンなんて流行んないって、それにほら、この水晶モニターみてみ?」

「はい?」

「ね、ゴブリンちゃんもコボルトちゃんもお部屋に帰ってるでしょ。」

「はい、最近は冒険者も17時前には帰るか宿に行くんですよね。」

「良く寝て良く働く、ええこっちゃー、って私こんな時間まで寝てたわけ?」

「そうですね、20時間は寝てましたから。」

「お・こ・せ・よ。」

「先日起こしたらぶん殴りましたよね?」

「気のせい。」


「そうですか、お食事どうします?」

「今日は何?」

「あ、今日の料理人はハーピーです。」

「え?サイクロプ君じゃないの?」

「はい、アラクレモノ大陸で女神の決着付いたらしくて里帰りですね。」

「あーあの祝われた島ね。」

「ぎりっぎりですよねコレ。」

「何の事かしら?それで?オッズは?」

「白2の黒4でした。」

「白側つぇ~、なんで黒は闇落ちエルフ大量投入しないかなー!」


「で?夕食ですけど朝食どうします?寝ます?」

「んーハーピーちゃんのぜっっったい食べたくないからなー、前回15階層のムシムシエリアの芋虫出しやがったからなぁ。」

「では抜きます?」

「いんや!お腹すいたから街いってくる。」

「また街ですか。」

「文句あんの?」

「あ~り~ま~せ~ん~。」

「あっそ、それじゃちょっと行って来るから~♪エレベーター起動しといて。」

「はい、いってらっしゃいませ。」



「エレベーター途中で止めたろか(ボソッ)」

「何か言った!!!???」

「いいえ~♪いってらっしゃいまっせ~♪」

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