たまに耳にする「統合失調症」とは!? 理解を深めよう
統合失調症は、人間の心や考えがまとまりづらくなってしまう病気で、精神機能の分解がその症状です。
そのため気分や行動、人間関係などに影響が出てきます。
統合失調症には、健康なときにはなかった状態が表れる陽性症状と、健康なときにあったものが失われる陰性症状があります。
陽性症状の典型は、幻覚と妄想です。
幻覚の中でも、周りの人には聞こえない声が聞こえる幻聴が多くみられます。
陰性症状は、意欲の低下、感情表現が少なくなるなどがあります。
周囲から見ると、独り言を言っている、実際はないのに悪口を言われたなどの被害を訴える、話がまとまらず支離滅裂になる、人と関わらず一人でいることが多いなどのサインとして表れます。
統合失調症は、「自分の考えや気持ちがまとまらない状態」が続く病気です。
思春期から中年までに起こりやすく、約0.7%の人が生涯に発症するとされます。症状は陽性症状と陰性症状に分けることができます。
陽性症状は、病気の早期の段階や再燃(落ち着ついていた病気が悪くなる)した時に現れることが多く、「悪口が聞こえる」などの幻聴や「誰かにずっと監視されている」などの妄想、考えが混乱してまとまりがなくなる思考障害などです。
陰性症状は、病気になってからしばらくして現れ、喜怒哀楽の表現が乏しくなる感情平板化や意欲欠如、社会的引きこもりなどです。
統合失調症は、早期からの積極的な治療(薬物療法を主体として必要に応じてリハビリテーションを組み合わせる)を受けることで、落ち着いた生活を送ることができます。
統合失調症についての詳細な原因は未だ解明されていないですが、遺伝的な背景や環境が発症に関わっていると考えられています。
以前は「精神分裂病」と呼ばれていましたが、現在は「統合失調症」という呼称が一般的になっています。
統合失調症の治療は薬による治療と心理社会的療法を組み合わせて行います。
統合失調症で内服する薬は抗精神病薬と言われ、大きく2種類に分けられます。
定型抗精神病薬(従来からあるタイプの薬)は副作用としてパーキンソン症候群を起こしやすいです。
非定型抗精神病薬(新しいタイプの薬)は定型抗精神病薬に比べて副作用によるパーキンソン症候群が少ないですが、副作用に体重増加(太る)・高血糖などがあります。現在は非定型抗精神病薬が治療の中心となっています。
心理社会的療法には多くの種類やバリエーションがあります。心理教育(病気のことをよく知るための教育)、生活技能訓練(社会復帰にむけたトレーニング)、精神療法(医師と信頼関係を築いたり、他の患者と悩みを共有したりする)などがあります。
統合失調症が心配な人は、恐れずに精神科を受診してください。
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