かつて軍艦島は歴史的な人口過密都市だった!

軍艦島(端島)は、長崎県南部、長崎半島の西にある島です。

海底炭田の採掘のために埋め立てを繰り返してつくられた人工の島で、面積0.06平方キロメートル。

明治初期から良質の石炭が採れることで栄えましたが、昭和49年(1974)閉山。コンクリート壁に囲まれた島の上に施設や集合住宅が建ち並ぶさまが軍艦に似ています。


軍艦島は、かつて世界最大の人口密度を誇った都市でした。軍艦島の歴史で最も人口が多かったのは、1959年で、最多人口は5259人でした。軍艦島の面積は、0.063km²なので、人口密度は83,600人/km²になります。

これは、現在の世界各地の過密都市のデータを見ると、マカオの半島部分で6万人、モルディブの首都マリで3万5千人、ムンバイで約2万7千人と比較しても、どの国の人口密集率も軍艦島には及びません。


一方、東京23区の人口は、2021年2月1日時点で約965万人でした。東京23区の面積は618km²なので、人口密度は約1.5万人/km²です。

したがって、軍艦島の人口密度は、東京23区のそれよりもはるかに高かったと言えます。


なお、軍艦島の人口増加の要因としては、炭鉱労働者とその家族が続々と移住してきたことが挙げられます。また、戦時中の1943年には、中国や朝鮮からの労働者も雇っていたため、島内にはさらに人が増えました。

しかし、最多人口だった1959年の際、世帯数は意外にも少なく、約800世帯で、一世帯当たり6.6人でした。このように、軍艦島の人口増加と人口密度の高さは、その特異な歴史と地理的条件によるものでした。

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