世界四大文明との表現は日本と中国だけ!


世界四大文明という言葉は、歴史観・文明観の一つで、20世紀以降の日本や中国でのみ用いられる言葉・表現であることをご存知ですか?

国際的には「文明のゆりかご」という言葉が使われています。


世界四大文明とは、人類史上で最初に起きた文明として、メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、中国文明の4つを指す言葉です。

これらの文明は、それぞれ大きな川の流域で発展しました。

メソポタミア文明はチグリス川とユーフラテス川に挟まれた地域でおこりました。エジプト文明はナイル川流域でおこりました。インダス文明はインダス川流域でおこりました。中国文明は黄河や長江のほとりでした。


これらの文明は、農耕や牧畜を行うことで食糧を安定させ、灌漑(かんがい)という技術を用いて水路を作りました。

また、金属器や文字を発明し、都市や国家を形成しました。これらの要素が「文明」と呼ばれる社会の状態を作り出しました。


世界四大文明という言葉の由来は不明ですが、一説によれば、日本の考古学者・江上波夫に由来するとされます。

また一説によれば、中国清朝末期の知識人・梁啓超に由来するとされます。梁啓超は1900年に作った詩『二十世紀太平洋歌』([二十世紀太平洋歌])で、「地球上の古文明の祖国に四つがあり、中国・インド・エジプト・小アジアである」と述べています。


しかし、「文明」という概念は学術上明確に定義されていないため、「文明の数」についても特定できないという問題があります。

世界四大文明という言葉は、国際的には通用しない言葉であり、学術上の提唱者すら不明であり、通俗的、慣習的な用語であると言えます。


実際には、「文明のゆりかご」という言葉で表されるように、メソポタミア文明やエジプト文明などから派生した多くの文明が存在しました。

例えば、メソポタミア文明からはバビロニアやアッシリアなどが生まれました。エジプト文明からはクシュやナイル下流王国などが生まれました。 また、メソポタミアやエジプト以外にも、長江文明やメソアメリカ文明やアンデス文明なども含まれます。


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