バミューダ・トライアングルの謎

南西大西洋には、不思議な三角地域が存在します。その頂点は、英国領のバミューダ島、米国フロリダ州のマイアミ、プエルトリコ島のサンファンという3つの都市です。この海域はバミューダ・トライアングルと呼ばれ、多くの船や飛行機が消息を絶った魔の海域として恐れられています。


バミューダ・トライアングルで起きた最も有名な事件は、1945年12月5日に米海軍の雷撃機5機が訓練飛行中に消えた事件です。この事件は後に映画や小説にもなり、バミューダ・トライアングルの伝説を世界中に広めました。


最初にバミューダ・トライアングルという言葉を使ったのは、ジャーナリストのヴィンセント・ガディスでした。彼は1964年に雑誌で死のバミューダ三角海域というタイトルの論文を発表し、翌年には著書見えない水平線で不可解な事件を紹介しました。しかし、彼の論文や著書は当時あまり注目されませんでした。


10年後、チャールズ・バーリッツというドキュメンタリー作家が著書謎のバミューダ海域でガディスの主張をさらに誇張し、オカルトや超常現象と結びつけました。この本は世界的なベストセラーとなり、バミューダ・トライアングルの名は広く知れ渡るようになりました。


しかし、その後の調査で、ガディスやバーリッツが挙げた事件の多くは事実と異なることが判明しました。彼らは事件の詳細を歪曲したり、大げさにしたり、でっち上げたりしていたのです。実際には、バミューダ・トライアングルで起きた遭難事故は他の海域と比べて多くも少なくもなく、天候や人的ミスなど通常の原因で説明できるものばかりでした。


ただし、最近の研究では、この海域では六角形の雲が発生しやすく、これが強風や巨大波を引き起こす可能性があることが指摘されております。また、この海域ではコンパスが狂う現象も確認されております。これは地下の玄武岩や磁鉄鉱が影響していると考えられています。


バミューダ・トライアングルは、オカルトや超常現象の舞台ではなく、自然の驚異の宝庫なのかもしれません。

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