デトックスとは、体内に溜まった毒素を排出することを目的とした健康法ですが、実は必要ないという意見もあります。デトックスが必要ないという主な理由は以下のとおりです。

　人間の体には、自然に毒素を排出する仕組みが備わっている

肝臓や腎臓、皮膚や肺などの器官は、常に血液中の有害物質を検出し、尿や便、汗や呼気などで体外に排出しています。これらの器官の働きを助けるためには、特別なデトックス方法ではなく、バランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠や水分摂取などの基本的な健康習慣が重要です。

　デトックスによって期待される効果は科学的に証明されていない

デトックスティーやジュースクレンズなどの商品や方法は、毒素排出やダイエット、美容などの効果を謳っていますが、これらの主張には根拠が乏しいか、全くない場合が多いです。デトックスによって体内から毒素が出るということ自体が定義されておらず、どのような物質が毒素であるか、どう排出するかなどの明確な基準がありません。

　デトックスには副作用やリスクもある

デトックスティーやジュースクレンズなどの方法は、一時的に体重が減ることがありますが、それは水分や筋肉量の減少であって、脂肪量の減少ではありません。また、栄養不足や低血糖、脱水症状や便秘、胃腸障害や免疫力低下などの副作用を引き起こす可能性もあります。摂食障害の患者の救済を専門とする公認管理栄養士いわく、デトックスドリンクによるクレンズを始めたせいで、既存の疾患（拒食症や過食症など）が悪化したり、食べものと上手く付き合えなくなったりすることもあるとのこと。

以上の理由から、デトックスは必要ないことがわかります。デトックスは科学的根拠に基づかず、健康に対して有害である可能性も高いです。健康を保つためには、デトックスではなく、日常生活でできる健康習慣を心がけることが大切です。