第21話レメンバー、ハナウマベイ!

 その頃・・・。

人の目を避けて帰化した・・・。

 東京の町田から臨月の為、勤務学校があった神戸市に行き生まれ来るベイビーの為に買い物を済ませ、三宮そごう前からバス停を観た。

「再度山?」

 不思議な感覚に囚われ無意識にそごう前の停留所来た市バスに乗り再度山修法ヶ原の森林植物園の小路を歩き、緑鮮やかな木々の木漏れ日を浴びて下腹に手をやった。

 生まれる児を優しく擦り、二言三言、語りかけていたが、「ララ・レイラの子宮で幼生から幼虫になりララの血液を吸い込む。」

 「蝉人間と為るために!」

「やがて七年が経ち、羽化の為に子宮から這い出て来るが、激痛を伴ってララ・レイラは死ぬんだ!では、お別れだ。」

 七年前のジョニー・ウォーカーの言葉を回想していた。

「思い出せハナウマ湾の山を!

ソコは虫一匹も居ない人間の楽園だった! 波打ち際にハワイの恋人が小魚に脚をつつかれ、それが人間の老廃物を食べる魚だと分かると、アッと言う間に噂は広がり、ハワイアンビレッジの日系人が観光客呼び寄せの為に魚をおびき寄せる為のランチパックを用意しだした!

日本人カップルが真似をしてライスを海に沈め、海は濁って行った!

 それに日本人は蝿を連れてきた!

暫くしてハナウマ湾は、蝿で一杯に為った!

 その煽りを喰ったのは俺の親父だ!

親父は、ハナウマ湾の衛生局管理人だった!

 海辺一つも衛生的に出来ない衛生局の局長は親父を解雇した!

そして親父は自殺したんだ!

 俺をメジャーに入団出来る様に色々骨を折ってくれた親父に親孝行せずに俺は何もしなかった俺の人生に呪いを掛けた!

 そしてとうとう魂を売ってセミになった!

種の繁栄についてパワフルなセミに為ることが出来たんだ!」

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