第17話してほしくない綱渡り
幼い頃の洋介の思い出がクルクルと舞い降りてきたからだ。
子供の頃の孝は達観していた。
ガキ大将の洋介に唯一武力無しで孝に従わさせていたが、事実二人の会話がロジックに転換した時など饒舌な孝に論破され従わざるを得ない洋介がそこに居た。
悔しかったが、いつか見返してやると思いながらいつも孝に見返されていた。
そんな洋介がになるなんて信じられなかった。
アノ夜を境にしてララ・レイラとジョニー・ウォーカーが消え孝の目の前で眠りこけていた洋介が新卒で就職して、社会人になったまでは良かったが、孝と同じくして初就職先のサークルハウスの男好きだと噂のある取引先のケン・ウッド建具の沢谷一子65歳(さわたにいちこ)と懇意の中だったが、洋介も仕事上の付き合いと割り切り、酒や食事や趣味の釣り等も一緒に行動していた。
そんな協力業者の社長と未遂とは言え男女の関係になるとは、業務上差し支える事が多分に発生するのではないか? いやしかし、建具屋の社長と特別な関係を持ち、仕入れ代金を誤魔化す手法も有り得なくは無いし、出世願望を強く持つ洋介にはこれ以上綱渡りをしてほしくなかった。
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