【祝3万PV突破!】陰キャでエ〇ゲオタクという理由でクラスを迫害されている俺だが、何故かスクールカースト1位の美少女金髪ギャルと仲良くなることができました

なかよしだんご

第1章 美少女金髪ギャルとの出会い

第1話 ギャルの渡辺さん

「どうしてこうなった……」


 俺の名前は粟井周介あわい しゅうすけ。高校2年生17歳。

童貞で趣味はエ〇ゲをやること。

クラスの連中からはオタク君と呼ばれ、馬鹿にされている。


 入学したての時に自己紹介で、『エ〇ゲが趣味です!』と高らかに発言したことで、オタクというレッテルを貼られてしまった。


 別に好きなものを好きと言って何が悪いのか……。

たまに名前で呼ばれることもあるが、粟井を栗井と間違って呼ばれることがほとんど。


 そんなことより今俺はちょっかいを出されている。後ろの席にいるギャルに……。


「ねーねーオタクくーん」


 背中をシャーペンでツンツン突かれる。


「……」


「無視しないでよ~ねーってば~」


 今俺の背中をツンツンしているのは渡辺幸香わたなべ さちか。俺と同じ高校2年生。

スタイル抜群でスクールカースト上位の彼女は、金髪、ミニスカルーズソックスに長い爪。

これをギャルと言わずなんと呼ぶ。ルックスももちろん可愛い。


 クラスの人たちからも慕われており、見た目のわりに成績は優秀でスポーツ万能。みんなからはさっちゃんと呼ばれている。


 俺と渡辺さんの対比えげつなくないですか……?(泣)

光と影じゃないですか。


 そんな彼女には噂がある。今、クラス全員の童貞を食い漁っているという。

一体だれが流したのかは分からないが、クラスのいたるところからそういう噂が広がっている。


 つまり、今俺にツンツンしている渡辺は俺にロックオンしているということ。

自意識過剰かもしれないがこのスクールカースト最下層の俺に話しかける理由なんて絶対そうに違いない。


 だが、俺は大事な人で卒業すると心に誓っている。だから今振り向かずに無視をしている。

 我慢しろ粟井周介。放課後のチャイムが鳴ったら全力で逃げるんだ。


「ねーパンツ見せてあげるからこっち向いてくんない~?」


「ぶーーーー」


 何言ってんのこいつ? 俺も男だ、そんな挑発にひっかかるほど軟じゃない。


「ねーねー、見たくないの~?」


 その時、俺の中にいる悪魔と天使がささやく


「おいおい! ギャルのパンツなんて中々見られるもんじゃないぞ! 振り向け!」

「ダメよ周介! あなたは純粋な――」


「やぁ、どうしたんだ?」


 粟井周介、悪魔のささやきに屈する。

 天使のささやきまったく効果ねぇーな。おい。


「あっ! やっと振り向いてくれた! ねーねー! その鞄につい――」


 俺の理性がギャルのパンティーに負けた瞬間である。


「さっちゃん~ノート見せて~。さっきのところ書き忘れちゃって……」


 俺が渡辺さんに振り向いた瞬間、渡辺さんの隣の席にいる。ギャル、宮元が渡辺に話しかけた。


「あっ! ちーちゃん! また忘れてきちゃったの?」


 た、たすかった~~~。

それにしても俺に何の用だったんだろうか。


「ねーそういえば見てみてー! 新しいネイルにしたんだ~♪」

「超可愛いじゃん。めっちゃ夏って感じ~」

「でしょでしょ~~♪ マジウケる~♪」


 後ろのギャルたちはネイル話に花を咲かせている。

 何がウケるのかまったく分からないが……。


 スクールカースト最上位の渡辺さんが話しかけてくるなんて……もしかしてどっかでフラグ踏んだ?

そういえばさっき渡辺さんは俺の鞄を見て指を差していた気がするが気のせいだろうか。


 鞄……鞄……。


「はっ! もしかして!」


 気づいてしまった。渡辺さんが俺に話しかけたその理由が……!






 カツアゲだ!!!!!!






 そうに違いない。男に困ることない渡辺さんがどうして俺なんかの財布を取ろうとしているかは分からないが、

陰キャでオタクな俺をちょこっと脅せばお金をせびれると思っているのだろう。


 だがそうはいかん。


 放課後のチャイムが鳴り終わったらすぐさま鞄を持って廊下に出る。そして、階段を降りて2階へ行き部室へGO!

完璧な作戦だ! これなら行ける。


 幸い脚の速さには自信がある。来るなら来い。

 心の中でクラウチングスタートのポーズを取る。


 宮本さんとの会話を背中で聴きながら様子を窺う。どうやらノートも書き終わり、会話も落ち着いたようだ。

 標的である俺に身体を向ける渡辺さん。


「ごめん! ねーオタクく……」


キーンコーンカーンコーン


その時――

チャイムの音が鳴ると同時に俺は鞄を担ぎ走り出した。


「あー待ってよ~」


 光の速さで廊下に出て階段を下りる。

走ること数十秒で部室の中へ


「ぜーはー」


息が乱れる。


 渡辺さんに少し悪いことをしてしまった気がするが、カツアゲされるわけにはいかない。


 部室の様子を確認する。あいつらはまだ来ていないみたいだ。

 膝を少し気にしながら椅子に腰かける。さすがに走りすぎた。


「これからどうなっちまうんだ~」


 俺は、独り言を呟きながら机に突っ伏した。


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