非常に考えさせられる物語でした。神希シリーズとしては異例のかなり重たい内容で、理保さんのことを思うと胸が苦しくなりました。
普段はふざけまくっている神希も、こういう状況では周りを慮ることができる人情ある探偵に早変わり。魅力的な一面がまた一つ増えたように思います。
「しに」と「じさ」の伏線は結構分かりやすい印象でしたが、まさか脅迫状もカルピスも全て古都に現実を気づいてもらうための行動だったとは……。一貫して古都視点のため彼に悪気がないのは承知の上なので、余計に苦しく感じました。
神希シリーズをすべて読破してしまい、今寂しい気持ちでいっぱいなのですが、次もまた別作品を拝読させていただきます！(多分『モラトリアムGAME』かな？)

>お互いに六〇年から七十年代のフランス映画のファンで、
めちゃくちゃ細かくてすみません。普段は漢字の統一性は気にしませんし、自分もあまり気にして書くことはしないのですが、六〇と七十が一文に混ざってるのは少し不自然に思いました。

　若干、今回は暗い内容ではありましたが、考えさせられました。今回は女性蔑視をテーマに挙げられていましたが、様々な差別が世の中にはあると思います。しかし、そんな内容でもサラッと読めてしまう鮎崎浪人様の文章力にはいつもながら敬服の意を示します。
　ミステリとしての内容ですが、今回はロジックというよりかはアイデアという感じでしたかね。私は主にロジックをこねくり回すことしか出来ませんから羨ましいです。
　今回はシゲ語が出てきませんでした。勿論、出せる内容ではなかったと思いますが、あれ結構好きなんですよ。自作で今シリーズは終了となるようですが、次は出てくるかな……？

はじめまして。
このたびは自主企画にご参加いただき、ありがとうございました。

よかれと思ってやったことほど裏目に出てしまうことってありますよねぇ。
自分に「善意」や「正義」があると自覚しているほど、そうなってしまう傾向が強くあるように思えます。
シリーズ物と知らず読みはじめたので、探偵役の正体が「まさか」と驚きでした。
ギャンブル好きなアイドル路線でも私には好印象でしたが、客観的な視点をもって犯人（被害者？）の心情に寄り添うことも出来る神希さんはとても魅力的な探偵役だと思いました。
「自作」「シニア層」をあえて言い換えることでメッセージを発していたというアイデアもとても面白かったです。

　いやー今回もお見事でした。脅迫状？の送り主が理保である可能性はあるな、とは思ったんですが、電話の内容がヒントになっていたことには気づかず、フラッシュモブが始まったときも不幸な予感はしましたが、こんなことになるとは予想できませんでした。
　それもこれも古都のモノローグに誘導された結果であり、構成の巧みさと神希の推理の組み立てには今回も感服しました。
　これは邪推ですが、今後理保がアイドル劇場のステージに現れることもあるのではないか（６０代のアイドルもいることだし）などと妄想してみました。