第8話
「よし……!第一関門はクリアしたな」
試験から2時間、第一関門を突破した俺は二つ目の試験に取り組むため、待機していた。確か、二つ目は同じ階級を持つ探索者との対人戦だったな。
何で対人戦か?簡単だ。ダンジョンによって異なるが、味方がダンジョンの影響または魔物の能力で洗脳された時の対抗できるかの問題でもあるらしい。
「お、呼ばれたな。じゃあ、挑むか!」
*
更に30分後、いくつかの試験を合格し、最後の試験へとなっていた。
最後はダンジョンに取り残されたことを想定して、三日間だけ、ダンジョンに滞在し、その期間生き残る事だ、要はサバイバル能力を試されるという事になる。
「たったの三日か?五日くらいは想定してたんだがな……」
*
それから三日後、審査員が出てきて、終わりを告げた。
ずっと狩りなどで籠っていたおかげか、妨害者が来ても返り討ちにはできた。
恐らく、これも試験の内なのは知っていたからいいんだが、一部うっかり殺してしまったんじゃないかと心配したものだ。
「番号34番、試験は合格だ。ようこそ、E級へ」
よし!難なく合格できた!これは大きな前進だな!!
俺は帰りにコンビニに寄り、ビールと飯を買う。
良かった。これで万年F級は卒業。少しは収入が良くなるはずだ。
ここからだ。実力を上げつつ、ダンジョンで狩りをやっていれば階級が上がっていくだろう。今日は本当に運がいい。
「今日は宴だ。俺一人しかいないが……」
別に寂しくはないが、こうなってくると周りの人は「可哀そうな奴だな」と考えるのが常だ。しょうがないだろ!昇級試験を受けれなかったんだからな!
自宅に着く前に、近所辺りで配信をしている奴らを見かける。
俺はこっそり隠れてそれを見守る。
「んじゃ!今日の配信はここまでだ!次のダンジョン攻略を期待しててくれよ!」
〈はーい!〉
〈次はC級のダンジョン……頑張れよ!〉
〈最近はめっちゃ階級が高い幼女がうろついてる話だ。気を付けろよ!〉
どうやらもう少しで配信が終わる所まで来てたらしい。
邪魔しては悪いな。
*
「配信か……儲かるとは思うけど、あんな博打はごめんだね」
ビールを飲みながらニュースを見る。
また舞が活躍してるが、連携力が良くない。と言うより、前衛のタンクが脆すぎないか?相手はC級とはいえ、ここまでダメージを受けることは無いのだが、デバフでもかかってるのか?
VTRを見ていて思った事は一つ。
連携力が死んでる。舞の大弓を使った攻撃は敵に当たれば必殺の攻撃になるが、功の欲しさに前衛が邪魔してるな。一応移動をしているが、とこどころに味方が視界を塞いでるな。そりゃあ、実力を発揮できないのも無理はない。
「また来られたら厄介だし、早めに寝るか」
ゴミやビール缶を片付け、消臭液の入ったスプレーを吹きかけた後、就寝する。
「……さて、明日からは狩場を探すとするか」
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