星のカービィ 夢の泉の物語(任天堂・1993年)

 プレイ時期:1996年ごろ

 ソフト入手:中古で購入

 クリア状況:エクストラモードとボスラッシュクリア

 おすすめ度:★★★★


 *


 発売順は前後するのだが、カービィシリーズを本格的にプレイするのは、スーパーファミコンの『スーパーデラックス』に続いて2作目となる。それまでもゲームボーイ版を友人宅などでプレイする機会はあったのだが、まともにプレイしたのは2番目という意味だ。


 発売当初の記憶として、テレビ番組「スーパーマリオクラブ」で、本作のBGMにボーカル(宮田まこ)を乗せた歌をよく流していたのを覚えている。特に「グリーングリーンズ」に歌を乗せた「キラキラマーチ」(歌い出しが「バナナムーンに乗って」)はお気に入りで、よく口ずさんでいた。


 さて3年越しに遊んでみたわけだが、実際にプレイしても肝心の「グリーングリーンズ」はさっぱり流れない。スーパーデラックスでも初代でも、ピンボールでも流れていたのに。おかしいな、どこかで行き逃した場所でもあるのかなと思っていたら、ラスボス直前となる7-6でやっと流れ出した。しかもファミコン上でゲームボーイの初代を再現した白黒のステージで!


 当時、初代カービィはほとんどプレイしたことがなかったのだが、この演出は不思議と感動的であった。あの頃にテレビから流れていた歌、友達の家で遊んだピンボールの曲。いろいろな思い出があふれ出してきた(今となっては「わずか3年前」と思うのだが、子供の頃の3年は大きい)。この瞬間、本作は忘れないゲームとして記憶に刻みつけられることとなる。


 さて、ゲームの話をすると初登場のコピー能力はまだまだ調整不足だと感じた。雑魚は一撃でも対ボスの火力が明らかに低いし、一撃でもダメージを受けると落としてしまうので維持が難しい。どちらかといえばギミック解決用がメインで、ノーマルカービィのほうが使いやすい場面が多い。


 隠しスイッチなどは程よい難易度だと思ったのだが、唯一自力では解けなかったのが6-3の帆船ステージだ。「爆弾ブロックを壊すと見えない扉が現れる」というのに気づかなかった。壊すと水があふれる→船体に穴が空いたと解釈する→その穴から外に出るという発想に至るのは、平面的なゲームにおいてかなりの発想の飛躍が必要である。


 その後も水中の導火線に着火するのもなかなかテクニカルで、「本来水中ではコピー能力を使えないが、飲み込んで能力を獲得した時の演出は発生し、それには当たり判定がある」というふざけた仕様を利用して、ファイアの能力を持つ敵を水中で飲み込む(ここで火を吐く演出が発生して導火線に着火)というかなり変則的な動作が必要。こちらは自力で気づけたけれど。


(7-6の月もノーヒントだとかなり厳しい気がするが、こちらはたまたまゲームボーイの初代の攻略情報を雑誌で見て「知っていた」のである)


 クリアした後に出現したノーセーブのエクストラモードには戸惑ったが、こちらもなんとかクリアして、ボスラッシュも含めて完全クリア。スーパーデラックスよりは簡単だったかなというのが最終的な感想であった。ファミコン末期にふさわしく、ゲームとしてのボリュームも演出も素晴らしかった。


 今となっては数あるカービィシリーズの中から敢えてこれを選ぶべきかというのは、なかなか難しいところかも知れないのだが(個人的には『スーパーデラックス』及び、GBの『2』も好きである)、少なくともファミコンソフトとしては文句なしにおすすめできる1本である。

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