ベスト競馬 ダービースタリオン(アスキー・1991年)

 プレイ時期:2022年ごろ

 ソフト入手:中古屋で買う

 クリア状況:エンディング(全G1制覇)まで

 おすすめ度:★★★


 *


 シリーズはスーパーファミコンの頃に少しプレイしたが、このファミコン版1作目をプレイしたのはごく近年になってからとなる。ご想像の通り『ウマ娘』ブームで競馬ゲーム熱が再燃し、どうせなら未だにプレイしていなかった原点をプレイしたくなったのである。


 シリーズ共通だが、牧場には1頭の繁殖牝馬のみがいる状態からスタートし、最初に種付け相手を選ぶ必要がある。牝馬を売って2歳馬(当時の2歳馬は今でいう1歳馬のこと。以降、馬齢はゲーム内同様の旧式表記とする)を買うという選択肢も一応あるのだが、資金的には素直に種付けしたほうが無難であろう。


 ファミコン版のシリーズでは、おそらく容量の都合で血統表には一部の馬名しか記載されていない。要はインブリード(両親の血統内に同じ馬がいると特徴が強調される)効果が設定された馬だけが表示されているわけで、これは初心者にとってはかえって好都合である。また、牝馬が生まれないので自家生産牝馬を使うこともできない。常に1代限りの勝負である。


 ファミコン版で戸惑ったのは調教パターンの少なさ。強弱や併せ馬を選べるのはスーファミ版と同じだが、芝かダートしかない。つまり脚に負担をかけない坂路やプールがない(プールはともかく、坂路調教で絶対に故障しないのは妙な設定ではあるのだが)。加えて輸送による体重減もないので、体重を絞るのがかなり困難になっている。特に困るのが故障からの休養明けで、まともに体重を減らそうとすると怪我が再発する可能性が高い。


 というわけで本作においては健康のパラメータが何よりも重要。個人的にお世話になったのはキヨヒダカで、最下級クラスの種牡馬ながらもスピード能力の高さ(距離適性下限の短さ)とネイティヴダンサーのクロスを活用すれば安い母馬からG1級が生まれるのも夢ではない。


 他に活用したのはスピードが単独トップのフォティテンや、インブリードの宝庫のノーザンデクテイタ(「ノーザンディクテイター」を強引に縮めている)あたり。いずれも早熟スピード馬である。プレイする前の伝聞ではスティールハートが最強と聞いていたが、本作をプレイする限りでは特別強いとは感じなかった(おそらくスピードがさらにテコ入れされて早熟化した全国版での評価なのだろう)。


 さて、これはスーファミ版を初めてプレイしたときの思い出なのだが、初心者は調教で体重を削ってしまいがちである。調教師は体重過多はしつこいくらいの指摘するのに対し、体重不足は全く説明してくれない。なかなか勝てなかったのはこれが原因で、「ベスト体重」という概念を把握してからはゲームが別物になった。本作においても体重管理は非常に重要である。


 というわけで、徹底して早熟スピード馬を生産して送り込んでいたら、クラシック路線はあっさり勝利。獲るのに一番苦労したG1は、5歳になるまで出られない安田記念であった。


 比較対象がスーファミ版しかないのだが、ノーリセットでも割と簡単にクリアできたので難易度は低いほうだと思う。不便な面も目立つがシステム自体は単純なので、シリーズ入門にもちょうどいいかも知れない。ただ、体感的にセーブデータはかなり消えやすく何度かやり直す羽目になった。外付けメモリのターボファイルがあれば安心してデータ保存できるのだが、今となってはやや入手困難か(中古通販だと電池が液漏れしてたりするし)。

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