高校編
『すーちゃんおはよ〜』ギュッ
『っ!?ひっ、姫宮さん!?』
『ん〜?どうしたのすーちゃん?』
びっくりした。だっていきなり朝からこんなに美少女な姫宮さんからハグされるのだ。なんて心臓に悪い...そんなことをしてると天音さんも登校したようだ。
『小羽、私の鈴に朝っぱらから抱きつかないで貰っていいかい?』
『!?』
『やめてよあーちゃん、すーちゃんは私のものだもーん』
『!?』
私の鈴!?私のすーちゃん!?なんか知らないうちに私モテてる!?
『アハハハ〜、あーちゃんみてよ〜、このすーちゃんの顔』
『少しバカっぽい顔も可愛いね、鈴』
なんかバカにされてる気がするけど、こんなにモテるのは初めての経験だったからまだ頭が働かない。....いやいやいやいやいや、私はもう陽キャなのだからこれくらいは慣れるべきだ。
そう考えているうちに先生がやってきた。天音さんも姫宮さんも席についたので私もつくことにしよう。
はぁぁぁぁぁ....陽キャはなんであんなにもスキンシップが多くて浮いた言葉をスラスラと言えるのだ...陰だった期間が長すぎてまともに喋れない。陽キャコワイ...
『中西ー?中西鈴ー?』
『は、はい!?』
『すーちゃん、昨日のテストの返却だよ〜早く受け取らないと先生怒っちゃう』
え?テスト返却??聞いてないぞ!?そう思いながらテストを受け取ると『お前どうやって北坂に入れたんだ...』と言われた。はて、なんのことやら....と思って席に戻り結果を見ると国数英全て足してようやく100点だ。
あれ、1教科50点満点だっけ??と思いながら考えてると
『えーっと、今回のテストの合計平均は大体210点だ。一部を除いて皆良かったぞー。次のテストからは教科ごとに45点切ると赤点だから気をつけろー』
うっ...耳が痛い。一部は絶対私のことだ...そして次のテストから赤点かぁ....大丈夫かなぁ。
まぁ、私のことは置いといて、とりあえず姫宮さん達の頭の良さを確認しときたい。先生は一部って言っていたから、まだ私の仲間は居るかもしれないからね。
『ね、ねぇ、姫宮さんは点数どれくらいだった?』
『ん、私〜?私は295点だよ〜』
なんと私の約3倍だ。優しくて可愛くて頭も良くて...神様はどんだけ不平等なんだ!!と頭の中で神様に文句を言っていると、姫宮さんが私の答案を覗こうとしていた。
『あ!姫宮さん見ちゃだm.......』
そんな私の必死の願いは間に合わず、無情にも私の点数がバレてしまった。終わった...こんな馬鹿な子だと思われたら、一緒に居ようと思ってくれなくなるかも...
小、中学校の二の舞を踏むかもと戦慄しながら姫宮さんの方を見ると、何故か少し笑顔だ。なんでだ...?
『すーちゃん...私がこれからはずっと勉強教えてあげるね〜!』
『????????』
休み時間になり、少し唐突な提案だったから詳しく聞いてみると、姫宮さんはお金持ちの家の子できょうだいがいないそうだ。だから初めて会った時、私のことを妹がいたらこんな感じなのかなぁって思っていたらしい。おかしい...身長は全く変わらないはずだ。
とりあえず、なんか妹とか弟に勉強を教えてあげたかったが、叶わなかったらしい。それが私の存在と私の頭の悪さのせいで夢が叶うから笑顔だったそうだ。解せぬ......
まぁ、頭いい人から勉強教えて貰えるならラッキーと思って快諾しようとすると...
『小羽、ちょっと待った!!』
なんか来た。視線で分かっていたがやっぱり天音さんだ。今日も朝からずっとこっちを見ていたから来るのは分かっていた。
『どうしたの、あーちゃん?』
『鈴に勉強を教えるのは私の役目だ』
『え?』
『ん〜?あーちゃんはじゃあ合計何点だったのかな〜?ちなみに私は295点ね〜』
『くっ....280点...』
『じゃあ私の勝ちだから私がすーちゃんに勉強教えるからね〜』
『次のテストで小羽に勝って私が鈴に教えるから!』
『え?』
なんか教える対象である本人の私が混ざれてないのに、決めちゃってるんですけど。
まぁ、私馬鹿だからいいんですけどねー!
『そのテスト勉強、僕も次から混ぜて貰えないかな...?』
急に声をかけられた。誰だ貴様?そう思いながら声の主を見ると、衝撃を受けた。
私より大きいだと......!?私これでもDカップあるのに...
そう、おっぱいが大きいのだ。おっぱいの大きさに自信のあった私からしたら、ロングのストレートヘアが綺麗で眠そうな顔が可愛いとかよりも、おっぱいが大きいことにしか目がいかない。
『あれ、ねむちゃん遂に勉強するの〜?』
『フフーン、話を聞いてたら僕みたいな点数の子がいたから気になっちゃった』
姫宮さんがおっぱいの大きい子に話しかける。さっきから寝てたのを見てたからねむちゃんってあだ名なのかなって思ってたら天音さんが教えてくれた。
『彼女は瀬名 寝夢って言って私たちと同じ小学校からの付き合いなんだ。まぁ、いつも寝てるから中々関わることはなかったんだけどね』
へー、まさかの名前が寝夢とは...さすが名前から睡眠を連想できる人は違うなぁ。
姫宮さんと瀬名さんの話がおわったぽい。結論づけると瀬名さんは天王さんに教えてもらうことになったらしい。姫宮さんと天音さんの点数勝負に勝った方が私を教える人になるそうだ。
『ち、ちなみに瀬名さんはテスト何点だったか聞いてもいいかな...?』
『ん、僕かい?152点だよ』
ガーン.....私の1.5倍...だけどついに先生が言っていた一部に該当する生徒に会えた私は、感極まって瀬名さんに抱きついていた。
『寝夢!ずるいぞ!』
『すーちゃん、ハグするなら私にしていいんだよ〜?』
『鈴ちゃん抱き枕にいいサイズかも』
みんな何言ってるか聞き取れなかったが、とりあえず瀬名さんのおっぱい柔らかい。私より大きくて柔らかいから瀬名さん好き。このままここに住みたい......
その後休み時間が終わり、先生がまた戻ってきたから瀬名さんと天王さんは渋々席に戻って行った。待ってー私のおっぱい...
『鈴!(すーちゃん!)一緒に部活動見学に行かないかい?(行こうよ〜)』
授業も終わり放課後になると、姫宮さんと天王さんがあることを提案してきた。
そう、部活動見学だ。我が校、北坂学園は運動部、文化部関係なく規模が大きく部活動が活発だそうだ。
中学校時代、ぼっちの私には無縁だった話だが今は違う!そう、私は今1軍女子(笑)だからな!ハッハッハー!
『すーちゃん、一緒に行ってくれないの...?』
『ん!?あ、行くいく!...ごめん、少し考え事してて!』
心の中で高笑いしていると、姫宮さんから無視されたと思われて泣かすとこだった。危ない危ない。こんな美少女を泣かせたらクラスの男から、いや学校のみんなから非難轟々で学校へ来れなくなるとこだった。
『よし鈴、じゃあまずは私の入部予定である弓道部から行こうじゃないか!』
『あーちゃん、すーちゃんは私と一緒に料理部へ行くんだよ〜?』
なんか2人が争っているが私はもう入りたい部活は決めている...!そう帰宅部だ!家に帰るのが遅くなると、由良が悲しむしご飯を作る人が居なくなって、ご飯が食べれなくなってしまう。それはダメだ。だから私は帰宅部に入ると2人に伝えた。
それを聞いた天音さんは納得したが、姫宮さんは譲らなかった。
『待ってすーちゃん、料理部は部活絶対参加じゃないし、作った料理を妹ちゃんに食べさせてあげれば一石二鳥だよ〜!』
確かに、料理部なら由良の食べたこと無い料理を食べさせてあげることが出来るかもしれない...そう思った私は、部活動見学へ行くことになってしまった。天音さんは不満そうなままだったが。
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