先輩はバケモノ

カエル

第1話プロローグ

僕の名前は佐野勇太、今日から福原高等学校にスポーツ推薦で入学する高校1年生だ。いや、まだ3月だから入学予定の中学生というのが正しいな。


「勇太、車に積み忘れた物は無い?」

「大丈夫だよ。母さん。」

「それじゃあ、出発するよ。」

「うん。」


僕は中学3年生の時に全国大会への出場をしたのだったのだけれど、結局途中棄権することになってしまった。それが心残りで高校でも全国大会に出場したいと思い、探した結果、福原高等学校に入学することができた。

1度練習を見に行ったときは運悪く寮生は実家に帰っており、練習には参加できたけど寮生には会えていない。聞いた話では男子の先輩も女子の先輩も優しくて話しやすい人が大半だと言うことらしい。しかも、寮生にはその時の1年生の中ではダントツで早い人が居て、1、2年生だけの部活内順位では5000mでは26人中6位だそうだ。男子の全長距離部員の中だと42人中11位だそうだ。ただその人についてはそれ以上のことは教えてもらえなかった。一体どんな人なんだろう?

そんな福原高等学校の寮に今日、入寮することができる。どんな先輩や同級生がいるのかとても楽しみだ。

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