月の化身 星の化身《第3話》

 星の少年が天井をまじまじと見上げると、小さな輝きを放つ星々ではなく、水と自然に覆われた球体の星が1つあったのだ。


「これは?」

「『地球』だよ。少し前に父神様方から、管理する星を与えられただろ?」

「あぁ!そういえば自慢してたな」


 その星は、名を〖地球〗という。

 月と星の少年の言葉通り、月の少年が上の神々から管理の任を受けた星である。


「でねでね、やっと〖知的生命体〗が出てきたんだよぉ~!」

「〖知的生命体〗?」

 意気揚々としている月の少年から発せられる聞き慣れない単語に、星の少年は首をかしげた。


「ほら、よく見てみて」

「ん?────あぁ!小さいなんかが動いてる!」

「どう?これが〖知的生命体〗さ!」

 月の少年は、星の少年にも見やすいように地球の、とある陸地を拡大させた。

 そこには、今の人間の祖先に当たる者達が都市国家(後にポリスとも呼ばれる)を少しづつ増やしていっている最中だった。


「へぇ~、でもなんで〖知的生命体〗だなんて………。今まで沢山の星を創造してきたけどこんなことはなかったよ。ましてや〖生物〗なんかが生活できる星だなんて」

「そりゃ、そうだよ。今回は只の〖実験〗だよ。今まで生物は居たけど僕たち神のような〖思考〗をもつ奴なんて出てこなかっただろ?」

 当たり前だよ、と月の少年は得意気に答えた。


「でも……〖実験〗だなんて、父神様達は何を考えているんだろうか‥‥‥」

「それは、僕たちが知らなくてもいいことだよ。といいたい所だけど……知りたい?」

 まるで、聞いて欲しいように月の少年は、〖実験〗に対し不信感を抱いた星の少年に聞く。


「勿論、教えてくれ!」

 不信感など塵のように消し飛んでしまった星の少年は、金の星の瞳を好奇心の色をに染め、月の少年に詰め寄った。


「本当は、教えちゃ駄目なんだけどねぇ~……」

 そう言って、月の少年は話を始めた。


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