日記旅行
@_Cosmo_
第1話 出会い
2年前この世界に魔法というものが伝わった。
だがこの世界は現実だ。異世界とかみたいな非現実的な世界ではない。
(いや魔法がある世界といっても現実っぽくないし)
科学がある世界だ、そのため魔法というものは栄えなかった。
理由は単純だ。最初は、引きこもりやオタクといった特定の人物には流行ったが結局ボタン1つでなんでもできる科学のほうが便利だ、というのが世間の見解だ。
だが役に立つこともあった、風の魔法を使った発電方法、火を使った発電などできることは多々あった。
科学で風を起こすことは難しい。火を起こすことだってガスを使わないと簡単には起こせない。
だからだ、そこそこは使われた。だが科学はより浸透しなかった、それを政府いや国は恐れた。
せっかくの問題が解決できる手立てを見つけたのに、それがなくなるかもしれないのだ。
事実かはわからないが、魔法が伝わって2か月ぐらいしたらいつの間にか学校の教科に取り入れられていた。
大事なことはしない政府が無茶をしてでも人々に取り入れてほしかったらしい。
この世界に伝わった魔法というのは、簡単に言うと誰でもできる画期的なものーではなくある程度の魔力的なものがないと魔法が使えないようだ。
それがなぜ教育に取り入れられてしまったのかというと、あるものを使うとほぼ誰でも魔法を使えるようになるのだ。
そうあるものというのが、それが化学だ。化学と魔法の両立、それをいち早くなしたかった国は教育に取り入れたということだ。
結果人口の8割以上が、魔法が使えるようになった。
日々人々が、魔法と科学を使うときが訪れた。
これは、ある一人の少女が様々な体験をして成長していく物語なのである。
静寂の部屋に、アラームが鳴り響く。
またやってきた、月曜日の不穏な朝また学校が始まる。
「澪遅刻するわよ~」
聞きなれた、母の声だ。少し小さいが父の声も聞こえる。
最近父は、有頂天だ。それもかなり、不思議だあんなに頑固だった父がだ。
どんな風の吹き回しだか。
この世界に魔法という存在がきたからか?
いやでもそんな魔法に興味があるようには思えないが。
「澪あんたちゃんと起きなさいよ。学校に遅刻するわよ?どんなことになってもしらないよ?」
「大丈夫、大丈夫そんな遅刻することないよ」
といいながらも時刻は午前8時安心して登校できる時刻はとっくにすぎている。
ご飯を食べる余裕などないがかと言って食パンを加えて走っていたら漫画の見過ぎとか言われるやもしれない。
そんなことになったら、私の学園生活が終わってしまう。
たいして友達が、多いわけではないし充実してるわけではない。
それでも自分がそんな姿で見られるのは嫌だ。
呑気にしている場合ではない。早くしないと普通に遅刻してしまう。
「澪あんたごはんどうするの?もしかして食べないつもり?」
「どうしよう別に食べたくないわけでは無いしなんなら身支度もしていない状態、髪はぼさぼさだし」
「自分で朝起きないのが悪いんでしょうが」
こういうときどうしたらよいのだろうか、絶賛ピンチ。
魔法がある世界でも、朝起きる魔法は聞いたことないし早着替えをする魔法もないだろう。
「もうそのままいってこーい」
「それはいくらなんでも無茶では...」
「はいはい、文句は帰ってきてから聞くから」
「朝ごはんも食べれないなんて、じゃあ行ってきます」
まったくあの母親は私のことなんだと思っていることやら。
今日もだらだら学校に通学して、ただいま下校時間。できれば学校のお話書きたい
毎日の楽しみ、そう友達との遊びだ。
「いやーこの時があるから学校に行く気力がわきますやー」
「そんなこと言っておっさんか」
「いやいやー布団がふっとんだなんつって」
ん?なんだか冷たい空気が迸る。
友達もひきつった笑顔をこちらに向ける。
あー恥ずかしい、滑ってしまったなんという醜態。
「いやとりあえず喫茶店でも行く?」
「行きます...」
なんやかんやあっても喫茶店に到着。
「私なんかこのモリモリのパンケーキで」
なんてありきたりな女子高生の会話をしている今日この頃。
いつも通りの日常だった。何気なく母に怒られ、学校に登校して友達と話してそんな日々だった。
でも今は違う。
「なんだ夢か」
「今もこんな夢見るんだな」
魔法がこの世界に魔法がきて2年たった。
電気は愚か、明日食べられる保証もない。
こんな世界が始まったのは8か月前ほど。
たった8カ月でほぼすべての国の文明は衰退した。
「それもこれもすべてあんないかれた魔法のせいだ」
とは言っても自分もその魔法を使っている一人なのだが。
魔法が伝わって、2カ月ほどたったときある宗教が設立された。その魔法教は日を追うごとに人数は増えていった。
そこまではよかった、しかしどこで狂い始めたかわからない歯車は歯止めを知らず日本いや世界に平和の世界からどん底へと落とした。
戦争を生で体験していない私たちは宗教なんてすぐにでも鎮火すると思っていた。
それが間違えだった。彼らは魔法を巧みに操り世界を翻弄した。
いつの間にか周りの友達が減っていってた。
怖かった。
自分ももしかしたら戦場に行くのかと、戦争なんて起こると思わなかった。
情報が簡単に手に入れられる時代になった、だからいろいろなことがわかった。
わかりすぎた。
日々怯えて、明日に生きて入れる保証なんてなかったのにただ怖いけど自分は死なないだろうという甘い考えだった。
魔法は日に日に力を伸ばし、気づいたら機械にまで魔法を使っていた。
少し御幣があるが、まあそんなところだった。
やく首脳14国家は魔法、いや自ら生み出した兵器に攻め落とされ滅亡した。
結局国の半数が滅亡し、魔法教は反乱がおこったりして内側から崩壊していった。
その結果、今この貧しい生活ということである。
水道設備は整っておらず、ガス電気は通っていない状態。
いくら高校性のときに贅沢しすぎといえここまでひどくすことはないだろう。
魔法で火や水は困らない、食料も生態ピラミッドがおかしくなり危険ではあるがこれも問題ではない。
そこで最大の問題点とは、そうまったくと言っていいほど人とふれあっていないのだ。
勇逸話すのは自分で作ったぬいぐるみ、こんなに空しいことないだろう。
人と、話したのはいつか覚えてないほどの濃い日々だった。
周りは荒廃した村、人を探して旅に出るのも悪くないか。
「今日の晩御飯はなにを作ろうか、今私の個人的ブームの肉じゃが肉抜にしようかな」
それはただのじゃがなのだが。
とりあえずは今日の晩御飯の資材を取りに行くため、すぐ隣の畑へと出た。
日に日に野菜が減っているような気がする。
いまここで、伝染病とかに感染したら手の打ちどころがない。
どうしようか、全部野菜を収獲するか?
「ごめんください」
人の声だ、周りは荒廃した村のはずそんなところに人なんているはずがないが。
もしかして、強盗か?
でも盗むものなんてここにはないだろう。
そもそも、強盗がそんな律儀に挨拶をするのか?
「誰もいませんか? ここも外れですか」
外れ?
どういうことだろうか。
凄く気になる、何者か気になるが見つかったら死にそうな気がする。
死ぬはなくとも、脅されるかもしれないかもしれない。
んー気になるものは気になる、怖いもの見たさというものだろう。
ええい、見てしまえー
チラッ
「いるじゃないですか、もういるなら返事ぐらいしてくださいよ~」
頭はフライパン、体はものすごい感じの……まあすごい感じだ。
見たところ女性っぽいが。
「すいませんが、どちら様?」
「申し遅れました。わたくし少々旅を嗜んでいる者です。名を神楽と言います。」
こんな世の中で、旅をする人なんているんだ。
生活するだけで大変な世の中のはずなのに、いやもしかして生き残ってた国があるのか?
そしたらもうこんな生活抜け出せるのではないか。
「そんなに不思議そうに見られても、何も出ませんよ?今持ってるのは、護身用の拳銃とかですね」
「え?拳銃?まだこの世界にそんなものがあったなんて」
「何言ってるんですか、拳銃なんてものは何年か前に亡くなりましたよ」
確かに国が滅んだ時点で、もうなくなったと思っていたがほんとになくなってたんだ。
「拳銃と言ってもそんなたいそうなものではありませんよ。鉄のパイプに魔法を折り合わせているんですよ」
「折り合わせてる?」
「確かに説明すると少々面倒ですが簡単に略しますと、パイプに魔法陣を張ってそれっぽくしてるのです」
「魔法陣を張ってるてほぼ魔道具ではないですか」
「そうともいいますね」
「いやいや魔道具が作れるってすごいじゃないですか」
魔道具なんて作れたら、こんな生活おさらばできるのでは?
そんな期待に胸を膨らませた。
「もしかして私でも作れます?」
「さあ、私はあまりわからないですね」
「わからないって」
「言ってはなんですが、自己紹介ぐらいしてくれてもよくないですか?」
「失敬、自分は孤月澪と申します」
「孤月さんですか、私からも質問なのですがなぜこのような場所で暮らしているのですか」
「難しい質問ですね、ここで暮らすしかないからでしょうか。では神楽さんはなぜ旅をしているのですか?」
「それは簡単ですよ、人に会いたいからです」
「人といってももうほぼいないのでは?」
「でもあなたがいたではないですか」
「それは、そうですがもしも人がいなかったらどうするつもりでしたんですか」
「そんなことを心配していたら、何もできませんよ」
確かに言われたらそうだ。
今まで自分は消極的だったかもしれない、もう文明も人もいないこの世界で自分は何を期待していたのでしょうか。
誰かが来るのを待ってたのでしょうか、待ってたらとしたらその待ち人は今目の前にいるではないでしょうか。
「人がいただけでも安心です、また用があればまた来ます」
「そうですか、私はいつでもいると思うので気が向いたら来てください」
「ではさようなら」
やらかした、久々に人と話せてもしかしたら色々教えてもらえてたかもしれないのに。
「あ、土産にこれをあげておきます」
何だこれは、
本?
「まあ、さほど気にしないでください」
気にしないと言われても。
どうせもう会わないのだから、
そんな考えをしている今日この頃。
日記旅行 @_Cosmo_
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