つたない想い葉
依想こころ
オンリーパスワード
かじかんだ手をすり合わせて 吐息をまぶして温めた
暖炉に薪をくべるだけで 芯から温まれば楽なのに
花は水をやれば元気に 光もあげたならキレイに
ねえ、お花さん 私に必要なものは何なのでしょう
私の声は 分からなかった? 通じえない パスワードみたいに
私だけの扉がある
泣いてみても 笑ってみても 胸を締め付ける痛みは消えない
たくさんの本も 誰かの言葉も 私には何かが違うみたいで
手を伸ばせば 伸ばすほどに どこにも繋がらない手のひらが
虚空を切る その度に 世界がとても広く感じた
世界中を歩いて見ても 美味しいものを食べてみても
一度限りの痛みを繰り返して 泣きじゃくるばかりで
私の声は 響かなかった 通じ合える? 幻想みたいね
私だけに鍵がある
泣いてみせた 笑ってみせた 誰かが何もかもわかってくれたら
痩せ我慢さえ 見栄っ張りだって 自己暗示なんていらなかった、なんて
歩き出せば 歩くほどに 疲れ知らずのはずの心臓が
苦しくなる その度に 願いは叶わないのだと知る
悲しみの向こう側 微笑みの後ろ側
幸せになること 不幸をなくすこと
できなくて わからなくて
私の声は 届かなかった 聞こえてない 見えないみたいね
私には答えは無い
私だけのパスワード
泣いてみても 笑ってみても 何一つ、何も変わらない心が
空虚になる そうなればと願って 祈りを捧げる
だからどうか
だから、どうか
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