第2話
は、恥ずかし〜!!!
プロポーズしちゃったよ! あの若井さんに!!
なんでプロポーズ?! いくら緊張しててもおかしいだろ!
あ〜、若井さん絶対引いてたよなー。
結婚、、、ないわー。
僕は今日、二年間思いを寄せ続けた相手にプロポーズをした。
告白じゃなくてプロポーズだ。
そして現在、僕は後悔と羞恥心に駆られて枕に顔を埋めているところである。
ダメだ。考えれば考えるほど恥ずかしくなってくる。どんどん沼にハマってく。
もう考えるのはやめよう、無心になれ無心に。
なにか別のことをしよう、何しようかな。
あ、そういえば、恥ずかしさのあまり無視したけどさっき親に飯だって呼ばれてたな。
とりあえずご飯食べるか〜。
なにか別のことしてないと思い出してしまうし。
あ、亮太には一応連絡しておくか、あいつのお陰で勇気出せたし。
少し出しすぎたけどね。
ということで、涼太に連絡をして少し落ち着いた僕はリビングに向かった。
「ごめん母さん、ちょっと他のことしてて遅れた」
「いいわよ〜別に。私のご飯よりその何かの方が大事なんでしょ」
「いや、だからごめんって。次からはもうしないからさ」
「こらこら母さん、あんまり空をいじめないの。困ってるだろ?それに、もしかしたら彼女さんと連絡とかしてたのかもしれないしね」
「違うよ父さん。あと、母さんが暴走しそうなことを言うのはやめてくれ、そうなったらもう手をつけられないんだから」
「あら! そうなの空! も〜、彼女さんなら先に言いなさいよ!」
そう言って母さんが背中を叩いてくる。
「だから違うってば。あと背中痛いから叩くのやめてくれ」
「誤魔化さなくていいのよ〜。それじゃあ私は空のご飯盛り付けてくるわね」
はぁ、また母さんに変な誤解された。
家の両親は僕に過干渉気味だ。はっきり言って面倒くさい。
世間的には良い親なのかもしれないが、干渉される側の僕からすればいい迷惑だ。
これ以上絡まれる前に早く食べ終わって部屋に戻るとしよう。
〜三十分後〜
「ご馳走様。このままシャワー浴びて今日は寝るよ。おやすみ二人とも」
「そうか。おやすみ」
シャワーを浴び終わった僕が部屋に戻った時に、ちょうどいいタイミングで涼太から返信が来た。
「話聞きたいしゲームしたいから電話しようぜ〜。俺は今すぐできるけど空は?」
「僕ももうできるよ」
そう返信してから五秒にも満たない間に亮太から電話がかかってくる。
「もしも〜し」
「ういー、とりあえずゲームしようぜ。何する?」
「じゃあスポラトゥーンやろうや」
「おけ〜」
そう言って僕らはゲームを始める。
「クソー! 負けたか。ギリギリ昇格できなかったわー」
「まぁドンマイだなー。今の敵強すぎん? 一回も打ち勝てなかったんだけど」
「いやそれな? あれは負けてもしゃーねーわ。さて空くんや、そろそろ話を聞かせてもらおうかな?」
来た。
どうしよう、プロポーズのことは隠すか?
いや、こいつのおかげで告白する勇気が出たのに嘘なんかつけないな。
全部正直に話そう。
「え〜、わたくし天心空はこの度若井さんに告白、でわなく」
「ん?」
「プロポーズしました!」
「、、、」
あれ、無反応? もしかしてネット回線悪くて聞こえてなかったかな?
もう一回言っとくか。
「この度僕は! 若井さn」
「いや聞こえてるわ! 聞こえた上で意味わからんわ!!」
なるほどね。そっちの無反応か。
まぁ当然の反応ではある。
「はっきりいって僕も分からん」
「で? 若井さんの反応は?」
「あ〜それがさ、明日の朝返事するって言ってた。たぶんプロポーズされるのなんて初めてだからさ、断り方考えてるんだと思う」
「うわ〜、きついなそれ。というより未だにプロポーズが理解出来んわ。どうしてそうなったのか一から説明しろ!」
そう言われた僕は放課後の体育館裏で起こったことを全て話した。
「アハハ! なんだよ結婚してくださいって!! 頭おかしいだろ!!」
「やめろ! 僕だって後悔と羞恥心半端ないんだぞ! これ以上心を傷つけるな!」
「まぁ、空らしいっちゃらしいな。お前時々突拍子も無いことやり出すしさ。もっとポジティブに考えようぜ! 振られた時は告白して振られるのと同じダメージだけどさ、もし万が一OKされたらお前ら夫婦だぞ?」
「だからそのOKされる確率が万が一にもないんだよ、、、もうやだ。穴があったら入りたい、、、」
そう、OKなんてでるはずが無いのだ。
僕達はただの高校生で、しかもプロポーズしてきた相手はなんの取り柄もないよくいる平凡なタイプ。
そんなやつとこの年齢で結婚してくれる物好きなんているはずがない。
「まぁそう落ち込むなよ!そもそも若井さんなんて高嶺の花なんだからさ、振られても仕方ないって。
ふぁ〜、俺眠いからもう寝るぞ? お前も早く寝て明日に備えとけ。それじゃあな」
そう言って亮太は電話を切った。
ったくあいつ、好き放題言うだけ言って勝手に切りやがって。
まぁいいか。
はぁ明日が憂鬱だな〜。
そんなことを考えているうちに僕は深い眠りに落ちて行った。
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