第7話三人で…もうすぐ夏休み

三人揃って僕の家にやってくると彼女らをリビングに迎える。

「佳代。ゲーム選んでて」

「わかった。着替えてくるの?」

「うん。すぐ戻る」

それだけ言い残すと僕は自室へと向かい着替えを済ませる。

脱衣場に向かいシャツを洗濯機に放り込むとリビングに向かう。

「何か飲む?」

彼女らに問いかけると七瀬が口を開いた。

「ジャースが良い」

「佳代は?」

「私も同じので」

それに頷くとキッチンの冷蔵庫を開く。

母親が昨日の仕事帰りにスーパーに寄ったのか中には飲み物が揃っていた。

「オレンジとりんご。どっちが良い?」

「オレンジ」

「りんご」

オレンジと答えたのは佳代だった。

りんごと答えたのは昨日と同じく七瀬だった。

それに頷くとコップに注いでいく。

僕もオレンジジュースをコップに注ぐとリビングのテーブルへとそれらを運んだ。

「それで。ゲームは決まった?」

僕の言葉を耳にした佳代はソフトをこちらに向ける。

「これにしよ。七瀬ちゃんもこれでいいって」

「分かった」

答えを返して頷くと七瀬が唐突に口を開く。

「負けた人が罰ゲームね」

昨日と同じ様に罰ゲームを提案する七瀬に表情を歪めた。

「別に良いよ。負けたビリの人が罰ゲーム?」

「そう。一人だけ罰ゲーム」

二人は悪い笑みを浮かべており何かを企んでいるようだった。

「二人…組むつもり?」

僕の言葉を無視した二人はゲーム機を起動させるとコントローラーを手にする。

「まずはやってみようよ」

佳代が口を開き七瀬もそれに同意するように頷く。

全員がコントローラーを持つとそのままゲームは開始されるのであった。


対戦ゲームで二体一というのは明らかに不利であり勝ち目もなかった。

それにこのゲームは佳代の得意なシリーズであった。

勝てるわけもなく当然のように僕がビリになると佳代は罰ゲームの提案をしてくる。

「七瀬ちゃんもしたんでしょ?」

言葉足らずな佳代の言葉だったが七瀬は全てを理解したようで頷く。

「じゃあ三人でしてみない?」

佳代は僕らを試すような言葉を口にして七瀬も少しだけ困っているようだった。

「鴇はどう思うの?」

七瀬は僕に問いかけてくるが僕はまだ何も理解していなかった。

「えっと…どういう意味?」

「はぁ…」

二人は軽く嘆息すると目を見合わせていた。

「もう良いでしょ。二人で襲っちゃお」

七瀬が口を開き佳代はそれに頷く。

その言葉を合図に僕は現在の状況を理解するのだった。

二人は僕を拘束するとそのまま三人でお楽しみの時間は始まるのであった。


行為が終了すると佳代が口を開く。

「もうすぐ夏休みだけど」

その言葉を耳にした七瀬は少し思案すると当然のように口を開いた。

「夏休みも三人で遊ぶ?」

七瀬の言葉に頷いた佳代は提案するように口を開いた。

「大体両親は仕事で居ないから。いっぱい遊べるよ。鴇もそうでしょ?」

それに頷くと七瀬はスマホを取り出す。

「じゃあ予定表組もう?」

そうして僕らはスマホを取り出すと全員で夏休みの予定をすり合わせるのであった。

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