第110話 始動1
朝日奈茜と高橋美羽はいつものように美術部の部室で昼食をとっていた。
「美羽はどんな感じ?
私はまだ中に入っているようで‥」
朝日奈茜は正との行為を思い出しての顔を紅くしている。
「わかる!
私もまだ正くんのが入っている感じだよ。」
高橋美羽も思い出したのか顔を紅くする。
「「幸せだね。」」
2人の声が一致する。
朝日奈茜と高橋美羽はお互いの顔を見ると笑いだす。
もともと仲は良かったが、同日に正と1つになった事でさらに親密度が増していた。
「2人とも出来てるといいね。」
「う〜ん、私は茜の後でいいんだけどね。」
朝日奈茜に高橋美羽は本音を呟く。
「えーー、一緒がいいよ!」
朝日奈茜が唇を尖らせて少し不満そうな顔を見せる。
「まぁ、今度皆んなで検査しよう!」
後日、あの時のメンバーが集まって一緒に検査する事になっていたのであった。
* * * *
「さて、今後について話そうか。」
高橋美羽が話を始めると和やかな雰囲気は終わりを告げる。
「兎にも角にも私達の計画にはお金が必要よ。茜は今いくら持ってる?」
高橋美羽が朝日奈茜に貯蓄額を尋ねる。
「今はおばあちゃん名義の口座に3,000万ぐらいかな。」
朝日奈茜がおおよそ高校生が持っている金額ではなかった。
「予想より多いけど、どうしたの?」
高橋美羽は朝日奈茜の貯蓄額を聞いても驚かなかった。
「ちょっと株でね。
ハマりそうで怖いけど‥」
朝日奈茜は株にハマった時期があったが、いろいろあって自重するようになっていた。
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