第23話 高橋 美羽2
「正に私の全裸をわざと見せたのよ。」
「全裸をわざと見せたのよ。」
「わざと見せたのよ。」
「見せたのよ。」
親友があまりにぶっ飛んだ事を言ってきたので脳に負荷がかかってしまい、壊れたオモチャのように再生を繰り返してしまった。
目をまんまるくした私に対して、親友は何故かドヤ顔だ。
いや、その自信はどこからくるの?
口には出さずに脳内ツッコミをしてしまう。
ピポッ!
一度、脳内のシステムを再起動する。
これぐらいの事で根をあげてたら彼女とは付き合えない。私はずっと彼女の後ろを歩くのだから‥。
私は歯を食いしばる。
「全裸って、さすがに大事な所はタオルで隠したよね?」
とても重要な事なので慎重に尋ねる。
「まさか。
全てを見せたわ。
乳首もだけど、ま『ダメ〜!!』」
ハァハァハァ
親友がとんでもない事を口走ろうとしやがったので邪魔をする。
今、モロに言おうとしたよね?コイツ!
私は彼女の親友だ!
だから私は彼女を理解してあげないといけないのだ。
彼女は大好きな弟に女性を意識して欲しくて、自分の裸体を見せたのだ。
これはきっとショック療法的なやつだよ。
うん、治療なら仕方がないよね。
かなり強引だが、私は無理やり自分を納得させるのであった。
「あっ、でも間違ってもう一人の弟くんに見られてたらどうしたの?」
双子の晶くんも家には居るんだからその可能性は考えなかったのかなと普通に疑問に思った。
「はぁ?
晶??
ありえないから。」
晶くんの名前を出すとあからさまに不機嫌になってしまう。
晶くん、お姉ちゃんに何かしたの?
正くんとの対応差にビビってしまう。
「あの日は、晶を部屋から出られないように閉じ込めてから作戦を開始したから大丈夫だったの。そもそもお風呂に入る時に鍵を掛けないとかありえないから‥。
正が家に帰ってくると、かならず手を洗うのは知ってたからわざと鍵を開けて待ってたの。
で、扉を開けた瞬間に偶然を装って全裸で飛び出したの。
私の身体を見た瞬間の正の顔‥。
思い出しただけで、興奮するわ。」
怒ったかと思ったら、今度はウットリしだした。
「じゃあ、作戦がうまくいって良かったね。これで正くんが茜を意識し出して、万事うまくいったんじゃない?」
この時、私に悪意など微塵もなかった。ただ、親友に話を合わせただけなのに‥。
私の言葉を聞いて、茜の表情から感情が消えるさるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます