第16話 カラオケ5

 樹くんとハーフの子は私の味方についたけど、残りの子はどうかな。

 全員が味方でも良いけど、それだと上手くいき過ぎて面白くないのよね。

 う〜ん、ヤンキーとギャルに我が家の敷居は跨がせたく無いし‥。

 

 茜が悩んでいるとヤンキーが痺れを切らせて口を開くのであった。


「お前ら変だよ!

2号とか何なんだよ‥。

ここ日本だぜ!

これ以上は付き合いきれない!」


 慈愛那は言いたい事を告げると席を立って部屋から出ようとする。


「別に理解しなくて結構。

では、貴女は正に今後近づかないで下さいね。」


 茜がニッコリ笑いながら慈愛那に告げる。


「‥‥‥

俺は人に指図されるのが嫌いなんだよ。

だからお前の指示には従えない。

それにお前の魔の手からアイツを助け出さないとな。」


 慈愛那は茜を睨みつけると部屋から出て行ってしまう。


*    *    *    *


<side渚>

  どうしよう、私ピンチなんですけど。

  まさか樹君と千ちゃんが裏切るなんて‥。

  慈愛那さんはカッコよく啖呵を切っていなくなちゃうし‥。

  正君、私どうしたらいいの?

  貴女のお姉さんが私を睨んでるよ‥。

  将来を見据えるとお姉さんと仲良くして方がいいと思うし。


*    *    *    *


<side??>

  「お姉ちゃん、お店の中に入れそう?」


  「まだ営業中の筈なのに、閉店の札が出てて入れないのよ。」


  「ねぇ、中で何を話してるのかな?

   私たち、出遅れたね。」


  「『出遅れたね。』じゃないのよ!!

   アンタが学校に忘れ物するから。

   どうすんの!

   ラスボスのあの女がいるのよ!

   私たち双子が目立つチャンスだったのに‥。

   はぁ‥。」


  「お姉ちゃん、ため息つくと幸せが逃げるよ。」


  「アンタがそれを言う?

   全部アンタのせいよね?

   今日という今日は許さないからね!」


  「お姉ちゃん‥。」


  「今度は何!!」


  「怒るとシワが‥。」


  プチ


  その後、激しさを増した姉妹喧嘩は警邏中の警官に止められるのであった。



<side??>

  「まさか、正が私を意識してくれるとは‥。

   これはチャンスだわ!

   おかまにヤンキーにチビになんちゃってギャルなんて敵じゃないのよ!

   最後に勝つのは幼馴染って決まってるのよ!

   最大の敵はあのブラコン女のみ!

   ふふふ

   週末は両親いないし、一気に勝負をつける!!

   はっはっはっはー

   避妊具買ってこよう‥。」

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