第15話 カラオケ4
<side樹>
マズイなぁ。
茜さんが出てくると勝てるわけないし‥。
茜さん、超がつくブラコンだからなぁ。
さて、どうする?
茜さんと対立するか?
いやいや、それは悪手だ。
だったら仲間になるしかない。
* * * *
「茜さん、僕は男だから正に近づいてもいいですよね?」
樹は様子見のジャブを放つ。
それを魔王が迎え撃つ。
「久しぶりに樹くん。
今、自分の事を男って言ったのかしら?
その格好で男って言われてもね‥。
では今後一切、正とそういう関係にならないと誓える?
誓えるなら近づいても結構よ。」
茜が魔王の風格で樹を睨みつけ、樹は痛い所を突かれたのか顔をしかめる。
ここで樹は勝負から降りる。
「僕は茜さんと正の事を応援しますよ。
だから2号さんにしてもらえないかな?」
あえて対立せず、茜の味方になると言いだす。
ここで、茜の表情が僅かだが崩れる。
実の姉と弟との禁断の恋。障害は多いのはわかっているので味方は欲しい。
樹は小さい頃から知っているのである程度御し易いかも。
まぁ、とりあえずは様子見をかな。
「2号にするかどうかは正が決めるから確約は出来ないわ。でも、私と正の事を応援してくれるなら、その見返りは渡すつもり。」
樹が茜の軍門に下る。
茜の他のメンバーが対峙する座り方をしていたが、樹立ち上がると茜の側に座り直す。
これで樹が裏切る形になってしまうのであった。
* * * *
<side千>
げっ!あの男女が裏切りやがった。
アレが噂の正のお姉さんかぁ‥。
胸が大きくて、美人で頭もいい。
性格は清楚で人望も厚い。
男なんて選びたい放題なのに彼氏がいない‥。
まさか弟が好きだとは思わなかった。
あのいつも邪魔ばっかりする男女が裏切るって事はかなり強敵ってことなのか‥。
私は負ける闘いはしない主義。
もっと情報を集めないと。
* * * *
「私も応援にまわる‥。」
千は立ち上がると、樹とは反対の方に座るのであった。
茜は味方にするメリットを感じなかったので断ろうと思ったが、その容姿を見て私の敵ではないと分析し味方になる事を許すのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます