(二)-7

 翌日、再び淵野辺刑事がおっさん宅にやってきた。今度は美幸の事情聴取だった。

 泉水署に着くと前回と同じ会議室に通された。

 もちろん聞かれたのは前回と同じ、彼女の自宅から発見された死体のことだ。

 検死の結果、母親の幸子は病死であるとされた。目立った外傷、この場合、ナイフや包丁が突き刺さっているとか、争った形跡があったとか、着衣の乱れがあったとか、そういうことがなかったことでそう判断されたようだった。

 遺体は和室の布団の中で普通に寝た状態で見つかった。掛け布団を掛けたまま寝た状態で永眠したわけだ。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る