第2話「8月11日、仕事その1」

朝6時頃。私は起きた。太陽の光が窓に入ってくる。昨日掃除した部屋に太陽の元で乾かした布団。本当に気持ちよかった。

「んーー…!」

ベットから出て、自室を出る。

廊下を歩いているとスモモの部屋からいびきは聞こえてこない…。もう起きてるのか?

階段を降りていく時、リビングから料理を作っている音が聞こえてくる。わたしの階段から降りてくる音に気づいたのか、メイドはこちらをむく。

「…!おはようございます!主様!」

「うん。おはよう。早起きだな。」

昨日みたいな酷い状態では無い…。こいつ早く起きだな。

「今日は私が担当なので!」

「嬉しいが無茶するなよ…。」

「はい!」

笑顔で答えられた。

「私は先に顔を洗いに行く。頼んだぞ。」

「はい!」

私は顔を洗いに行く。

数分後、私はリビングに戻る。

机には朝ご飯が並べてあった。

「おぉ…。豪華だな。」

「そりゃそうですよね!今から力仕事ですから!」

そう腕を上げる。

私は席に付き、スモモも席に付く。

「では…。」

「「いただきます!!!!」」

私達は朝ご飯にがっつく。

7時頃食べ終わる。

そして7時半、私達は町から見て北西にある農場地帯の一つ、依頼人の元に向かう。

8時頃。言われた時間より少し早めだが、私達は着いた。

「相変わらずデカイな。」

私達はその農地に広さに唖然した。

「前までこんなに大きくなかったはずですが…。」

「そりゃ…!増設したからな。」

すると後ろから声が聞こえた。

「おばあさん!」

スモモはおばあさんの方に近づく。

「元気そうで…!」

「なーに。スモモ…!あんたとは3日前に仕事を頼んであったばかりだろ?そこのガキとは会ってないがな…!」

私はババアに近づき話しかける。

「元気にしてたか?ババア。」

「おや?なんだい?ガキ?」

私とおばあさんは睨み合う。

(すごい間に火花がバチバチ見える…。)

一触即発か!?スモモは少し顔色を悪くする。

「ガハハ!!!元気にしてたか!?」

(!?)

「もちろんですよ!婆さん!」

すると2人は肩を抱き合った。

スモモは安堵な顔をする。

「んで!お前さん!今日は手伝いに来てくれてありがとうな!」

「いやいや、大丈夫だよ。婆さん。仕事、くれたらやるし、呼ばれなくてもやるよ。なんなら無料で。」

私は笑顔で答える。

「ふん!いい顔するね!まぁいいや。ガキの仕事はピーマンを取ってもらいたい。スモモもそうしてくれ。」

「あれ?なんでですか?」

スモモは首を傾げる。

「私スモモの料理食べたいんだが?」

「ガキは黙っとけ!」

「あぁ?」

私の威圧をスルーし婆さんは話始める。

「実はな、もう生えかえの時期で1日やらなくてもいい事になったんだよ。けどお金はしっかり出すから。それに終わったら紅茶入れるから飲もう。」

「わかりましたー!」

「ババア!スルーするなぁ!」

「なんだとこのガキ!」

そこから2人は言い合いをするが…。スモモは呆れて1人先に準備しに行くのであった。

朝9時

雲一つ無いいい天気。今日は暑くなりそうだなぁ…。太陽の元に人が集まってくる。主に力仕事が得意な男性組。

私はお婆さんから別の仕事を急遽頼まれ主様とは別の所にいた。

(主様いるかなぁ〜?)

辺りを見渡すと…。男性組に囲まれている主様を見つける。

(くすくす…。可愛いですね〜…。)

すると主様から睨みの視線を感じる。

(ガチガチだなぁ…。怖い怖い。)

私は視線を戻す。

(・・・!スモモの野郎!私をからかいに来たのか!?)

私はスモモの視線を感じ睨むがすぐに視線を変えてしまった。あいつ!!!

「なぁ…。」

「どうした?」

すると小声で喋っている男2人組…。私はそいつらの話に耳を傾ける。

「あの人って確か料理上手い人だよな?」

「けど婆さんによると今日は昼ごはんは無いらしい…。」

「ええ?そうなのか…。残念だ…。けどさ…。可愛いよなぁ…!終わったら話しかけに行こうかな?」

(ふっ…。あいつが可愛いか…。・・・。可愛いな。)

私は少し鼻で笑った。

「おい!そこのガキ!話聞いてたかい!?」

すると男ども前で説明をしていたババアが私に叫んでくる。

「あ?聞いてるよ!さっさとやろうぜ!仕事終わらそう!」

私の声に反応してか、周りの男共も反応する。

「「「おーーーー!」」」

「今日はさっさと終わらせるよ!」

「うおおおお!」

さらに男どもは雄叫びをあげる。

私達は持ち場に向かうのであった。

12時頃。

「仕事…。終わった…。」ゼェゼェ…。

私は地面に倒れていた…。

(まさかこんなに疲れると思わなかった…。暑さのせいか?これ当分動けないなぁ…。)

男共は婆さんからお金を貰っている。

「あ!主さま!」

するとスモモのの声がした。

「おお…。スモモか…。すまん…。身体…。動かん…。水…。持ってきてくれるか?」

「はい!喜んで!待っててくださいね!」

スモモはキッチンに向かっていった。

「はぁ疲れた…。」

私は辺りを見渡していると…。それを見ていた朝私の近くにいた男2人がスモモの方向に動き出した。

(まさかな…。・・・。けど動けねぇ〜…。10分しても来なかったら…。でいいかぁ…。)

私は少し目を瞑り寝る。

~~~~~~

(んー。水を組んで来たのはいいんですが…。)

「あのさぁ!この後暇?」

「お金入ったから少しぱあっーていかない!?」

(絶賛ナンパ?を事をされています…。思い出せー…!主様に言われた対処法…。んー…!ダメだ…。思い出せん…。)

私はとりあえずその場を離れようと…。

「すみません…。私急いでいまして…。」

が相手は聞く耳を持たなかった。

「いいでしょー!話ぐらい!」

(・・・。あー!うざい!もういいや!露払いだ!)

私は少し身体に力を入れようとしたその時…。

「おーい。スモモ〜。どうしたぁー?」

「あ!主!」

私はその2人の間を抜い主の方に向かう。

それを聞いた2人はびっくりしていた。すると主は…。

「うちのスモモがなんかした?」

2人を睨みつける。

「「…!」」

その2人は冷や汗が止まらない様子だった。

「あの!主様!カレーの作り方を教えて欲しいと言われてまして…。ちょっと教えていたんです…。」

私の言葉に主様の顔は緩くなる。

「…!そうか…。お前の優しさに免じて許す。お前ら覚えとけよ…。さぁ!スモモ!紅茶飲みに行くぞ…!」

主様が振り返り歩き始める。私もそれを追うのであった。

2人は緊張が解けたのかその場で座り込む。

13時頃。

私はスモモをナンパしてる野郎共を追い払い、婆さんの家のリビングの椅子に座って婆さんと料理を待っていた。

「婆さん…。風呂貸してくれてありがとうな。ホカホカしていて嬉しいぞ。」

なんか婆さんからお風呂を貸すぞって言われた。。もちろん借りた。

「若いもんがあんたらの機嫌を損ねたことをしたね。」

「・・・。見てた?」

「見てた。そりゃ…。あの男2人、顔の色が真っ青もいい事。魂持ってかれたみたいな顔してたよ…。私も叱ったから…。済まないねぇ…。」

手を合わせ謝ってくる。

「ふん!私の可愛いスモモに手を出したのが悪い!」

「あはは!その親バカはいつまで続くかなぁ?」

「あいつが本当に好きなやつが出来たら…。私は何も出来ないかもな…!」

「何母親ずらしてるんだい!このガキ!」

「あ!?うるさいぞ!このババア!!!」

「なんだとこのガキ!」

私達は椅子から立ち上がり、机を挟んで取っ組み合いになりかけた時。

「あの二人とも。ご飯出来ましたよ。少し軽食ですがどうぞ。」

呆れてため息をついていた。机に料理を起きながらスモモは。

「私が好きなのはあなただけですよ。主様。」

「…!ふっん…。そうか。ならずっと私の隣に居ろ。守ってる。」

「・・・・!!!」

ニヤニヤしてるスモモ。

「は?どうした!?」

「もしかして照れてます?耳赤いですよ。」

そう言ってスモモは耳を触ってくる。

「!?は?照れてねぇーよ!早く食べるぞ!」

「はーい。」

スモモは席に付き3人で机を囲む。

婆さんが両手を合わす。

「では…。お疲れ様…!」

「「「いただきます!」」」

私達は3人は飯にがっつく。

2時頃…。

「ぶはぁー!食べた!食べた!」

主様は食べ終わってゴロゴロしていて私は今お皿を洗っていた。婆さんは今回の収穫の計算をしていた。

すると主様は体を起こしお婆さんに質問した。

「そういえばよぉ。今国が高く買取るってのを聞いたんだが…。どうなんだ?」

お婆さんは書き物の手が止まる。

「そうだねぇ〜…。1kgで前とは1.5倍での買取してくれてねぇ。潤う潤う!」

ニヤニヤしていた。すると主は冷たい声で…。

「けどさぁ、前の戦争の時もそうだったんじゃないか?もしそうなら貯めとくのもありなんじゃないか?」

「確かそうだったような気が…。けど!売れる時に売っといてお金にした方がいいじゃない?」

「・・・。食料が無くなった時…。そっちの方が私は嫌だな…。」

少し声の張りが無くなる。

するとおばあさんは...。

「てか…。お前ガキなのにたまになにか察したようなこと言うよな…。たまに私それに飲まれそうになるんだけども…。」

「たまたまだろ。」

主様は言い返した。

「けどいつも思うの。あんた一体何もんなんだ?って。初めて会った時…。私がひったくり会った時助けてくれた時!なんかあんたら怖かったよ!特にスモモね。」

「え!?私!?」

急に私の名前上がるのびっくり!

「だって!ひったくり犯を捕まえたじゃない?私お礼しようと思って近づいたら、とても怖い顔してたわよ?けど、このガキが近づいて話しかけた時あんたは笑顔になった。」

「あの時は…。機嫌が悪かったのかな〜?」

私は特に覚えていない。いつも怒りに任せてしまうタイプ…。主には昔の私に似てるって言われて辞めるようにって言われてるけど…。それにしても私昔の主様に似てるかなぁ?

「あんたら絶対何か隠してるわよね?」

「それより詮索しないで欲しいなぁ…。どうせなんも出てこないよ。」

主様は少し顔色を変えた。声色でわかる。

「そう?ごめんね。私こうゆう話すの好きなの…。」

「だからくそばばあなんだよ。」

「あ!?」

「私のそうゆう感は当たるから貯めとけよ。絶対役に立つから。」

「わかったわ…。」

主は地べたに横たわり...。

「私は少し寝る。起こしてく…れ。」

ぐぅー…。ぐぅ〜…。

主様は寝てしまった。

「…。寝ちゃった。」

私は皿洗い終わり主様に毛布をかける。

「ねぇ。スモモちゃん。」

「はい?どうしました?」

私はおばあさんの問に答える。

「あなた達って一体何者なの?」

私は少し首をかしげふっと笑う…。

「メイドと…。死神ですかね?」

「え?」

「嘘ですよォー!ただの何でも屋ですって…!」

私は笑った。

すると口をポカーンと開けたお婆さんは言った。「そういえばあんたら何でも屋だったわね。」

「そうですよ?何でも屋です。仕事は全部こなすしますよ。」

「ならさぁ、少しお金多くするからこの書類一緒にまとめてくれない?」

「あ!わかりました!」

私はお婆さんから貰った数枚の資料を色々まとめていた。

2時間後…。

「んー!いい感じですね!」

「そうだねぇ!あとは私でも出来そうだ。」

ある程度書類をまとめ終えた私は主を起こす。

「起きてください〜。主様〜。」

私は主様の肩をポンポン叩く。

「ん〜…?」

主様は目を擦りあくびをする。

「…。ん?なんだぁ?」

「帰りますよー。」

「そうか…。わかった!」

主様は体を起こし、背伸びをする。

「帰るか!」

「はい!」

するとお婆さんは私たちの方を向いてきて。

「あんたら!また仕事頼むからその時はよろしくね!何でも屋さん!」

「はーい!」

私達はお婆さんの家を出た。




帰路を歩いている時…。

「・・・・。疲れたな。」

主は歩きながらそう言った。

「ですね。久しぶりにあんなに動きましたね。 」

「そうだな…!今日はさっさと帰ってやる事やって寝るぞ!」

主は走り出した。

「待ってくださーい!まだ家まで遠いですよぉ!!!」

私は主を追う。

お昼過ぎの運動は少し応えるが…。主様が楽しいならいいか…!

そこから1時間、走り続け家に着く。

「…。はぁはぁ…。スモモ…。お前どうして…。息切れしてねーんだよ…。」

とても疲れきって死にそうな顔をしていた。

「…?疲れましたよ?」

「は?息きれてねぇだろ…。」

「それより早く家入りましょう。夕ご飯の準備しなきゃ。」

「あ…。あぁ…。・・・。ん?」

主は家に備え付けられてるポストになにか入っているのを気づいた。

「…。これは…。」

主は手紙を取り裏を見る。

「なんですか?」

「アベリア...。からだ...。最近昔からの知人から多いな...。...。ああ!!!」

主は何かを思い出した...。

「アベリアさんですか!?懐かしすぎる...。てか...。どうしました!?」

「実は...。イチョウからの手紙出すの忘れちゃった...。」

私は名前を聞いてびっくりした...!

「ええ!?イチョウさんからも!?・・・。どうしてここバレたんですかね?」

「なんでだろうな...。」

主は少し暗い顔をしていた。けど前からの親友からの手紙は嬉しいのだろう...。少し明るい...。主は話し出した。

「まぁ...。後でいいか...。」

主は何か言おうとして止めた...。

「?どうしました?」

「とりあえず...。後で内容は教えるよ。」

「はい!後で内容教えてくださいね!」

少し怖い表情をしている。なんでだろうなぁ…。今日だってそう...。戦争...。・・・。まさかな...。

私は不安を抱いた...。

そして私達は家の中に入り私はキッチンで料理を作りに…。主は”飯できる数分前に降りてくるわァー!”って言って自室に戻ってしまった…。私は今日は主様に言われたカレーを作ることにした。おばあさんに貰った野菜を使って。

~~~~

私は一足先に自室に戻って椅子の背もたれに寄り掛かる...。

(んー。手紙届いたのは良いんだけども…。)

手紙を封を開け中身を見る。

(かてアベリアって...こんなに字が汚かったけ?話の内容は...。日常的...。たわいの無い会話...。)なんで手紙送ったんだ・・・?

”文字は汚くする時は、何かある、気おつけよう!って意味だよ...!!!”

(・・・・!!!)

ふと昔に言われた言葉を思い出した...。

そして私は溜息を着く…。

(何かある...。気おつけよう...。やっぱり勘はあってるかもしれねぇ...。そうと決まれば...。手紙出すか...。)

私は紙とペンを持ってきて手紙を書く。

(てか...。住所...。どこに送ればいいんだ?・・・。情報屋に聞いてみるか...。)

そこから2時間ちょっと…。私は手紙を書き終わり頭の中で考えを巡らせていた...。すると...。

「主様ー!!!」

私はスモモに呼ばれキッチンに降りてくる。

「今日は力仕事をしたという事で!野菜多めカレーを作ってみました!」

「おーー!」

私は声を上げる。今朝思っていたことが叶うのだから…!

私は席に着き手を合わせ…。

「いただきます!!!」

私はカレーにがっつく。

「あの!主様!」

スモモが話しかけて来た。

「ん?どうした?」

私は手を止めスモモの問に答える。

「2人の手紙の内容…。どうでしたか?」

「・・・。」

(アベリアの方はまだ確信ないしなぁ...。とりあえずイチョウからのを...。)

私は口を開く。

「イチョウから、16日に10年振りに墓参り行こうってね...。」

「4日後ですか…!確かに暇だしいいですね・・・!」

「どうした?」

「イチョウさん、ウメモさん、オキザリスさん、エビネさんに会うなんて...。怒られたりしないですかね?」

私はスモモの発言に冷静なツッコミを入れる...。

「・・・。まぁ10年振りに会いに行くんだ...。怒られるかもしれないけどな...。」

「・・・。そうですね...!で...。手紙はいつ頃に?」

「明日の朝...。情報屋に依頼する〜。」

「?それはどうしてですか?」

「あー。なんか住所どこに送ればいいか分からないから...。多分知ってると思う。いつもの場所にいると思う...。」

「奥様の対応はお任せ下さい!奥様とは会いたくないですもんね?」

そう胸を軽く叩くスモモ。

「頼もしいな…。」

そこから数分…。皿ににがっつき…。

「ご馳走様。」

私は完食した。

「あれ?早くないですか?」

「ああ…。疲れた。風呂入って寝るわ。今日はゆっくり休んで明日の仕事に備えよう。」

「はい!」

「んじゃ私は先に寝るよ。後片付け頼んだ…。その代わりに明日の朝は私が作るよ。」

「はーい!嬉しいです!」

「じゃーね…。ふぁあ…。」

私はキッチンを後にする。

風呂に入りゆっくりして…。自室へ…。

9時…。

(9時…。ちと早いがいいか…。)

私は自分のベットの中に入っていた。

(嫌な記憶思い出すなぁ……。)ブルブル…。

まぁ…。いいや…。その時はその時だ…。

私は目を瞑り…。気がついたら寝ていた…。

「・・・。」

私は主様が寝たのを確認した。

(主様…。アベリアさんの手紙の内容は教えてくれなかった...。それに手紙見た時怖い顔をしていたから…。もしそれが戦争の事ならば...。)

私は主の顔を見る。

(もし何かあっても…。命を掛けて…!)

私は胸に誓い自分の寝室に向かう…。


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