北見リョウのクルマ講座
北見リョウ
第一章「エンジン」第一回「構造と種類」
この講座ではクルマの事が全く分からない初心者でも私の作品を楽しめるように、クルマの基礎知識を解説する。
ということで第一章は「エンジン」だ。
エンジンと言う物は、クルマを動かすのに必須の装置で、目的や用途によってさまざまな種類のエンジンが搭載される。
今回はエンジンの構造上の種類を解説しよう。
(エンジンそのものの基礎知識(ガソリンがシリンダー内で爆発して・・・みたいな知識)はある前提で行く。)
自動車に搭載されるエンジンは基本、大きく分けて二種類になる。
一つはレシプロエンジン。
皆が想像するエンジンと言ったら大体これだろう。(逆にこれ以外を想像する人は中々の変人)
シリンダー内をピストンが上下することによって駆動する。
メリットはなんて言ったって、最も使われているエンジンであるから、情報や種類が豊富でパーツも多く、知識さえあれば自分でもバラして組み立てなおすことも可能。
性能面でのメリットはこれが基準になるので言うことは無し。
もう一つはロータリーエンジン。通称RE
三角形(漫画で出るようなおむすびに近い形)のローターがハウジング(ロータリー版のシリンダー)内でグルグル回ることによって駆動する。
メリットはレシプロエンジンと比べてエンジンが小さく、パーツ数が少ないから軽量、それでいてハイパワーであることだ。耐久性もメンテナンスさえしっかりやれば十分高い。
デメリットは燃費の悪さとパーツや改造範囲の狭さ、専門知識がないと整備できない点だ。
実はREは世界で唯一日本のマツダのみ量産、実用化に成功しており、マツダ以外のメーカーはほぼ一切製造していない。(試作程度)
なお、構造上エンジンオイルも一緒に燃焼するので定期的にエンジンオイルの追加が必要になる。(RX-8の中古車はエンジンオイルをちゃんと補給せずに乗ってエンジンぶっ壊してる個体がしばしば)
それによってノウハウやパーツが少なく、自分での整備や改造は困難を極める。
搭載例は全部マツダ車でRX-7やRX-8。
続いて、レシプロエンジンの種類を紹介しよう。
レシプロエンジンは主に直列型エンジン、V型エンジン、水平対向エンジンの3つに分けられる。
直列型エンジンは一番基本的なエンジンで、普通のクルマは基本コレが乗ってる。
その名の通り、シリンダーが直列に並んでいる。
メリットは構造が単純かつ、整備性も高い。
3気筒以下ならコストも安く、非常に小さくなる。
高回転、高出力化も容易。
デメリットは気筒数が増えるとその分クルマの全長も長くする必要がある。
多気筒エンジンの中では一番大きなスペースを必要とする。
2気筒や3気筒だと振動がとてつもなく激しいしうるさい。
搭載例は多すぎるためスポーツカーに限定する。
3気筒:トヨタ・GRカローラ、トヨタ・GRヤリス等
4気筒:トヨタ・スプリンタートレノ(AE86)、三菱・ランサーエボリューション、ホンダ・シビック、フォード・マスタング・エコブースト等
5気筒:アウディ・TT RS等
6気筒:トヨタ・スープラRZ、BMW M4、日産・スカイラインGT-R等
V型エンジンもその名の通りシリンダーが前から見てV字型に配置されていることが特徴だ。
スポーツカーや高級車は大体搭載されてる。
メリットはエンジンのコンパクトさや多気筒になった際に直列と比べ剛性で有利。
低振動で静かにできる。
デメリットは整備性の悪さと構造の複雑化による重量増や、吸排気系レイアウトの制限などだ。
搭載例は
V6:日産・GT-R、日産・フェアレディZ等
V8:レクサス・LC500、メルセデスベンツ・AMG GT、フォード・マスタングGT、シボレー・コルベット、シボレー・カマロSS等
V10:レクサス・LFA、ランボルギーニ・ウラカン、アウディ・R8 V10+等
V12:フェラーリ・812スーパーファスト、ランボルギーニ・アヴェンタドール、アストンマーティン DBS等
ちなみにほぼ水平にシリンダーを配置した180°V型エンジンも存在する。(フェラーリ・テスタロッサなどはこのタイプ)
水平対向エンジンはその名の通り、シリンダーが水平に向かい合って配置されてるエンジンの事だ。通称ボクサーエンジン。スバルとポルシェが現在製造している。
メリットは低重心、低振動、軽量でコンパクトであることだ。
デメリットは少々壊れやすいことと排気系の設置位置によっては折角の低重心が無駄になってしまう。
そして全幅が大きいため搭載位置に制限を受けやすい。
搭載車種は
FLAT4:スバル・インプレッサWRX STI等
FLAT6:ポルシェ・911等
そして最後にW型エンジンだ。
W型エンジンは大きく二つに分けられて、その名の通りシリンダーがW字に配列されてる純粋なWエンジンと、ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(以下VW)が開発した、V型エンジンを縦に重ねたような4バンク型Wエンジンが存在する。
後者の方は、本来のWエンジンと区別するため、WRエンジンや、VV(ダブルブイ、ブイブイ)エンジンと呼ばれる。
尚、本国ドイツでは本来のWエンジンのことはY型エンジンと呼んでいる。
メリットは、エンジンサイズのコンパクト化(例えばW8エンジンはV6のスペースに収まってしまう。)
デメリットは構造の複雑化と重量増。
搭載車種はWRエンジンのみ記載。
なおWRエンジンは開発元であるVWが特許を持っているため、VWグループのクルマにしか搭載されない。
W8:VW・パサート
W12:アウディ・A8、VW・トゥアレグ、ベントレー・コンチネンタルシリーズ
W16はブガッティのスポーツカーのみに搭載される。
とまぁこれ位覚えとけば大丈夫だと思う。
次回はパワーとトルクについて解説する。
それではまた今度。
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