urban

有智子

みる

もはや視聴するということが

人の眼差しひとつがお金に変わる時代になってしまった今

いったい何に目を奪われるかということまで

我々の意思ある選択になってしまった

誰かの視線を気にしながら


多くの目に触れることを願い

同時に誰にも暴かれないでいたいと思う底なしのわたしの本体


慎重に生きていたいと切実にたぐりよせているのに

時々綱渡りのロープの上で立ち止まるような

一瞬で生と死がひっくり返るのを想像している日々に


画面の向こうで笑っている人が

本当に笑いたくて笑っているわけではないのかもしれないと

祈るように願っていることがある



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