(2)シャワー室
みかん先輩が私の事情を色々と把握してくれているようでした。しかし状況が唐突でなんだか落ち着かない気分でした。
"どうして先輩に測ってもらうんでしょう...
"多匂さん、ギリギリで入学決まったやろ? 急いで色々手続きしてくれたと思うけど、まだ優先順位低めのが残っとるんよ。採寸は、この学科の実習なんかで使う作業用の服とか用意してもらわなあかんから。
"そんなのあるんですね...
"それでも1人じゃ測れへんやろ? 今回は私がするから、ちょっと付き合ってね。
僅かに石鹸みたいな匂いがすると思ったら、シャワー室の前に来ているようでした。
"この中で測るから。私ここにおるから、脱ぎ終わったらゆってね。"
みかん先輩は個室の外からドアを閉めました。私は服を脱いで下着だけになり、みかん先輩を呼びました。
"あの...
"脱ぎ終わった? じゃあ失礼するよ。
気を遣ってくれたのか、みかん先輩は私の後ろに周って身体の寸法を測ってくれました。
"お... お願いします..."
メジャーを持ったみかん先輩の手が私の体に触れました。
"あのぉ...
"うん?
"私、汗かいてて気持ち悪くないですかね。私の肌...
"え? 全然そんなことないよ? 多匂さんの肌、さらさらやよ。"
そう言ってみかん先輩は私の背中を指で撫でました。私はくすぐったくて思わずあっと声を出してしまいました。
"あ、ごめん、くすぐったかった? 多匂さん、あんまり肌が綺麗やから、触りたくなるわ。"
私の耳許でそんなことを言うので、余計に背筋がぞくぞくしてしまいます。暑さのせいだけじゃなく、変な汗までかいてしまいそうです。
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