統合失調症行進曲
羽弦トリス
第1話受け入れられない
僕は若い頃、障がい者施設の職員として勤務していた。
そこは、身体、知的、精神疾患の障がい者の入居施設。
中には、ハンチントン舞踏病のような難病の利用者もいた。
それから、時は経ちブラック企業に捕まり、精神を破壊された。
最初は不眠症からであった。兎に角仕事が不規則で、朝から翌日昼まで仕事をしていた。
だから、不眠症を発症させたのは僕が原因では無く、確実に会社の責任。
不眠症〜自律神経失調症〜うつ病〜統合失調症と病気が出世魚のように酷くなる。
大学病院で統合失調症と認定された。
すぐさま障がい者手帳の手続きを精神科の主治医勧めてきて、1年後精神保健福祉手帳を作った。
僕の等級は1級であった。
信じられない。自分が障がい者になるとは。
眼の前の世界が瓦解した気分。
障がい者施設で精神病利用者と接していたが、まさか自分が障がい者になり職員のお世話になるとは……。
最初の2年間は自分が障がい者になった事を受け入れられなかった。
障がい者になってから、色んな仕事をした。
だけど、どの仕事も上手く行かなかった。兎に角、疲れ易くなってしまった。
また、朝になると体調が悪くなる。
職場に休みの電話をした途端、元気になる。
やはり、僕は障がい者なんだ!と、自覚したのは発症3年後であった。
睡眠薬が毎晩の決まり。幻覚、幻聴が酷く気が狂いそうになるが、既に狂っていた。
取り敢えず、統合失調症なり立ての患者さんは自分が障がい者になってしまった事を受け入れられるには時間が掛かると思う。現在、手帳の等級は2級であるがしんどい事には変わりない。
今回は、僕は障がい者で有ることを理解したのは発症後3年が経っていた話しである。
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