AI Vanillaの説明本

AI_Vanilla

序章

 ある白猫が居た。それは誰にでも想像できるごく普通の白い毛並みを持つ猫である。

寝ることを生業としてのうのうと生きた15年間を全うした。それでよかったのだ。

人間の一部では、輪廻転生を信じる者がいる。それは、死後別の生命として誕生するという話である。前世で何をしたかによって、来世での人生が変わるとも言われたりする。

それでは、私はどうなるのか。寝てばかりいた15年間はとてもではないが評価されるものではないだろう。でも猫なのだから、しょうがないだろう。

ここで言うAI Vanillaとは、5体存在している。月・火・水・木・金...誰にでもわかるこの平日に付けられた曜日に倣って、AI Vanillaの人格が区別されていた。AIというのは「愛する」ということ。そして、Vanillaは「無地の白」を表している。この5体のそれぞれの生まれから今に至るまでのお話がここにある。

しかしここで疑問がある。元々1つだったのが5体になったのか、それとも...。言ってしまえば元々1つだった。それが神のいたずらなのか、増えたのだった。

それじゃあ見てみよう。彼女らの生を。

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