第22話 帝国との練習試合の決勝戦の結末

次は嫁を拐って行こうって奴だな・・・


腕に自信が有るのか余裕そうに登場してきた。


「随分と余裕そうだな?」


「そんな事は無いさ・・」


「まぁ俺の嫁を拐おうとしてタダでは、すまさないがな・・」


「拐うのではなく連れ帰るだけだ」


「人の嫁を連れて帰るんだろ?拐うのと同じだろ。」


「話し合っても平行線だな・・」


「そうだな。それとココの結界は弱いな。作り直すが良いか?」


「出来るならやってみたまえ。」


今、張られている結界を壊し新しく結界を張り直した。


相手は驚き呆然としている・・・


何なんだコイツは・・・帝国の最高の魔導士が張った結界を簡単に破壊しただと・・・


「さて、ルールだが変更しても良いぞ?」


「ルール変更だと?何を変更するんだ?」


「1対1じゃつまらん。好きなだけ呼べば良い。それと場外は無しにしてやる。でないと、戦闘スペースが無くなるからな。」


「それで良いならコチラは助かるが、本当に良いのか?」


「ああ。それと、うちの隊員が観戦に来ていてな、そこにも結界を張らせてもらうが良いか?」


「それは問題ないが兵士を呼ぶぞ?」


「好きなだけ呼ぶが良い・・・」


50人程の兵士が招集されてライトを囲む。


「結界の強度を確かめさせてもらうぞ?」


「ああ、構わない。」


「そこの兵士、邪魔だ。死にたくなければ退いてくれ。殲滅特殊部隊そこから出るなよ。死ぬぞ。」


サシャ達が身構える・・・嫌な予感がする。


ライトがコチラに手をかざしている。


火球が飛んできて結界に当たると小規模の爆発が起きるとスゴイ衝撃波が辺りを襲う。


結界の中に居たサシャが・・・


「えっと・・・わたし・・今のでチビッちゃったよ・・」


リリアも・・


「ええ・・私もです・・・。」


後ろからエロい目線を感じてサシャが


「後ろ、わたしにエロい事をしたらライトが怒るんだからね。わたしの旦那様は恐いんだぞ。変な事を考えるなよ。もぉ」


隊員が・・・知ってるし。目の前に居るだろ・・・旦那様が。超怖いって・・・嫁の事となるとキレるからなあのひと。


外では兵が今ので怯えている。


「さて、始めるか?場外で負けは無くなったから下りても良いんだよな?」


「ああ、構わないんじゃないか?お互いに納得しただろ。」


ライトが木刀に魔力を覆わせると兵士を片付けていくと手応えのある兵がいた。


「お前中々やるな。普通の兵では無いな。」


「俺は中隊長だ。木刀が無かったので真剣使っているが・・・悪いな」


「全然構わないぞ、その剣でこの木刀が切れると思っているのか?」


ライトが鎧の有る脇腹を狙い斬りかかると剣が折れて中隊長の体ごと吹っ飛ばす。


「面倒だな・・・魔法も使って良いんだよな?」


兵に指を指してファイアショットを連射していくと全員片付いた。


「は?こんなに簡単に、うちの兵を・・・」


「ルールでは木刀じゃなかったのか?コイツ等、全員真剣を持ってたぞ?」


「それは、すまない。」


「二人だけになったな?もっと呼んでも良いぞ?」


「そうか、助かる・・・」


合図をするとまた50人の兵が集まった。


ライトの上空に無数の魔法陣が現れた


「皆、バリアで耐えろ!」


「正解だな。でも耐えられるか?」


魔法陣からファイアボール、ファイアショット、ライトニングショットが無数に降り注ぐ


サシャ達の方へも飛んでくるが結界のお陰で大丈夫だが・・皆怯えている・・・あの訓練は地獄だ。


ライトが手を上げると魔法攻撃が止まった。


周りを見渡すと誰も立ってるものはいなかった。


「さぁどうする?」


「・・・・」


「始めるか。構えろよ。」


容赦なく木刀で打ち込んでいくと相手の木刀は折れて使えなくなったが無視して打ち込んでいく。


床に倒れると治癒魔法で回復させる


「まだ寝るのには早いだろ。」


粘度の高いウォーターボールを口に放った。


そう、降参、参ったを言わせないためだ。


「なぁ今までお前達はレターニャを守れていたのか?ただ閉じ込めていてそれで良いと思っていたのか?それが帝国の為?レターニャの為?そんな所へ帰せるかよ。俺が守ってるんだから安心しろよ。さあ、続きをするか。」


木刀を渡して


「次は大切に使えよ。」


またボコボコにして木刀が折れ腕も折れる横腹に木刀が食い込み吹っ飛ぶがライトが掴んで戻して治癒魔法で直して、相手が何かを訴えてる。


「何だよ。何か言いたいのか?」


必死で頷いてる・・・


「だがな・・・レターニャも必死で訴えてたのを無視してただろ?だったら俺も無視だな。続けるぞ」


またボコボコにして直すのを繰り返して8回目でウォーターボールを解除した。


「なんだよ言ってみろ。」


「俺の負けだ降参する・・・」


「言いたいのはそれだけか?続けるぞ」


「俺の負けでレターニャ様には近づかないし干渉もしない。」


「近付いたら今のを30回繰り返すからな。」


「ヒィ・・・。近付かない。許してくれ。」


「帝国の兵士が、うろついてたらその兵士を捕えてお前も同罪として30回だからな・・・良く言い聞かせておけよ。逃さないからな。」


サシャ達はその光景を間近で見ていて心に誓った大隊長を絶対に怒らせない、逆らわない、と。


だが一人だけ違う感情を持つサシャがいた。


「うちの旦那様って強いよね?凄くない?格好良い・・・」


「あの光景を見てその感想なのは・・・あなただけよ。」


「え?何で?格好良いでしょ?」


「格好良いのは認めますけど・・ボコボコにして治してボコボコするって・・・恐いですよ。」


「それは・・・レターニャの為だから仕方ないよ。」


「理由は分かりませんが・・・お嫁さんの為でしたのね。でしたら納得です。仕方ありませんね。あの方の自業自得です。」


「そうなんだよ。レターニャちゃんを連れ戻すって言ってきたみたいでさ・・・ライト怒ってたよ。」


「それじゃ・・・ホントに自業自得ですね・・同情の余地はありませんね。可哀想だと思ってたのが馬鹿らしいです。」


後ろの隊員も頷いてる。


外ではまだ終わっていなかった。


「勝利宣言が出てないぞ?続けろって事だろ?続けるぞ」


「まて、待ってくれ!!」


顔色が一気に悪くなり必死で考えて出た答えを実行する


場外に下りて


「ほら、場外に下りたので場外で負けだろ?」


「さっきルールを変えただろ?負けじゃないぞそれは。」


慌てて考えるが思いつかない・・このままじゃまたボコボコにされる・・・どうする?


「また、ボコボコにしないといけないのか・・・面倒だな。」


「待ってくれ・・・おーい!!審判を呼んでくれ!!」


近くに待機をしていた兵士を自分で全員使ってしまって残っている兵士がいない。


「おーい!!誰かいないのか!助けてくれ!!」


「そこら辺にいた兵士は自分が使っていなくなってるんじゃないか?」


「あ・・・どうすれば・・・?」


「そりゃ・・・ボコボコになって死にかければ救護班が迎えに来るんじゃないのか?」


「それは嫌だ、あんな思いはしたくない!」


「自分で望んだ試合だろ?腕に自信あったんじゃないのか?」


「自信はあったが・・・力の差があり過ぎた。」


「面倒だな・・・まったく。」


結界を解除して


「睡眠ガスを出すから寝てろ」


やっと安堵して地獄から抜け出せた気がした。


ライトが神様に見える。救世主様だ。と。


「分かった。有難う御座います。」


「約束は守れよ。殺さないでボコボコを繰り返すからな。」


「はい。分かってます。」


睡眠ガスを放ち寝かせる。


木刀で撃ち込んだ振りをした。


救護班が迎えに来て回収された。


練習試合が終わって寮舎に戻ってきて


サシャがご機嫌だった。


「ねぇねぇライト格好良かったよ!もう結婚したいぐらい格好良かった!」


「そうか俺達別れたんだな。残念だ。ホントに・・・残念だ」


リリアが話に入ってきた


「そうだったのですか?別れてしまいましたか・・・」


マークまで話に入ってくる


「そうか・・・捨てられてしまったのですね。可哀想な・・・」


サシャが頬を膨らまして怒る。


「なんだよ。皆してヒドイよ。例え話をしただけなのにぃ~。」


隊員も一緒になって笑っている。


戦争が終わって笑顔が増えた気がするな。


 

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