効率厨の僕が君を好きになるまで
konokonomimi
第1話 無能め
私たちは何のために生きているのか。何を目標に生きているのか。それらを明確に意識して生きている人は一体どのくらいいるだろうか。僕の周りを見る限りでは誰一人そのような人はいない。
人生楽しんだもん勝ち??いったい何を言っているのだろうか。娯楽、恋愛、SNS。本当にする必要があるのだろうか。
では、僕は何のために生きているのか。簡単なことである。人間だから。ただそれだけである。たしかに突き詰めれば、僕は死ぬべきなのかもしれない。どうせ生きていたって人はいつか死ぬのだから、生きていることさえ無駄なのかもしれない。でも、僕はそこまで馬鹿じゃない。どうせ死ぬなら死ぬ前にこの世界のことをもっと知っておこうじゃないか。生命とは何なのか。宇宙の彼方にはいったい何があるのか。果たして人間に生きる価値はあるのか。
僕にはこのような明確な目標があるのだ。誰かを助けたいとか、ひとの役に立ちたいとかそんな無意味なことではない。自分を知り、世界を知り、自分の存在意義を自覚して初めて人をしていきる権利を獲得できるのではないだろうか。自分に生きる価値があるかもわからないのに他人の役に立ちたいとか考える必要なんてない。
これらの目標を達成するために、僕は最高効率で生きていくのである。周りに流されたり、時間を浪費したりなんてしない。完璧に、そして理想的に生きるんだ。
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