第14話 外敵の侵略

「レプテリアンめ!地球にまで手を出してきた!追い払った失敗作に寄生してやがる。」


エリドゥの王宮を訪れたエンリルは兄のエアに訴えた!


最近になり、西方から人類による攻撃が頻発している。その人類もアヌンナキの周囲にいる人類とは少し異なる。


アヌンナキの周囲にいるのは我々がクロマニョン人と呼んでいる種族である。そして『失敗作』とはネアンデルタール人を指していた。


アヌンナキの都市は広がってはいるが、現在の中東地域及びエジプト北部に集中していた。


「厄介だな!あいつら寄生しやがるからな!迎撃戦闘機は何機あるんだ?」


レプテリアンは他の星の生物に寄生し星を乗っ取る習性を持っている。


真偽は確かめようがないが、21世紀もレプテリアンの侵略は続いていると言う話もある。


「エンリル!攻撃用宇宙船は何機だ?」


エアはエンリルに尋ねた。


「100機だ!」



エンリルが答える。


「核ミサイルは!?」


エアは立て続けにエンリルに尋ねる。



「核ミサイルはレプテリアン星まで届くのか?」


エンリルが疑問を呈した。



「わからん!」


エアは軍事に疎い。



「イナンナに連絡してくれ!」


エンリルはエアにイナンナを呼ぶよう頼んだ。

イナンナはニビルでは軍に所属していた。地球で最も軍事に精通している。

その為シュメール神話ではイナンナは軍神とされている。



イナンナがエリドゥの宮殿にやってきた。エアはイナンナの姿を見るなり彼女の挨拶を受ける前に「レプテリアンが侵略してきた!」

と訴えた。


「私が率いる!」


イナンナが即答する。



「核ミサイルはレプテリアン星に届くのか?」


エンリルがイナンナに尋ねた。



「ワープ装置取り付けたら届くけどやめなさい!」


イナンナは無下に答えた。



「ん?どういう事だ?」


エンリルはイナンナをじっと見つめる。



「核ミサイルにワープ装置なんてあり得ない!爆発させるものに高額な装置なんて付けられない!それに核ミサイル程度じゃレプテリアン星は攻撃出来ないよ!大気圏に惑星全体を守るセーフティエアを張ってる。それに強力に覆われているのよ!」


イナンナはニビル軍に所属している時に得ていた知識を披露した。

セーフティエアとはバリアと言えば当たらずも遠からずだろう。


「イナンナ!じゃあどうすればいいんだ!!」


エンリルは焦り始めた。


「地球の防衛に徹するしかない!」


イナンナは冷静である。



「あいつら攻撃しなければ収まらない!」


エンリルは叫んだ。



「ならニビルと軍事同盟を結ぶしかないね!」


イナンナはエアに向かって言った。



「イナンナ、最近ニビルの統制官が代わったらしい。軍縮派らしいぞ!地球の防衛にまで協力してもらえるなんて期待できないよ。」


エアは両腕を前で組み、ゆっくりと首を左右に振った。


「粘り強く交渉する以外ないね!私がニビルに行くから惑星防衛長官に任命してもらえない?」


イナンナはエアに要請する。


エアは地球の指導者の地位にあり、地球上の全ての人事権を握っていた。イナンナを惑星防衛長官に任命する事は簡単である。


「わかった。イナンナを惑星防衛長官に任命する!」


イナンナは少し微笑んだと思えばすぐ引き締まった表情をエンリルに向けた。


「私がニビルに行く前に…エンリル。」


「何だ?」


「エンリルは地球人部隊作って!人類には地球に侵略して寄生した失敗作を攻撃してもらう。」


「わかった!」



エンリルは人類から体格のいい者を選んで兵士とした。

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