【G'sこえけん短編コンテスト読者特別賞受賞】クラスメイトの無口ギャルは今日も俺の耳元でだけ囁く。
星野星野@3作品書籍化作業中!
プロローグ(ギャルはギャルでも無口ギャル)
俺のクラスには"無口ギャル"がいる。
プラチナブロンドの長い髪を靡かせながらその短いスカートから垣間見える魅惑的な太もも。
モデルのようにシュッと伸びた長い手足と男子なら間違いなく一度は目が行くほどの、巨乳で誘惑する。(噂ではGカップあるとかないとか)
その上、身長も170cmくらいあって男子並みに背が高いので廊下を歩けば必ず視線が集まる。
そんな
誰もが認める高校で一番の美少女ギャル。
しかし、彼女の本性は——。
「琴崎ぃ……は、また遅刻か」
朝のHRで行われる点呼。
1年C組の担任で体育教師の加藤が大きなため息を吐く。
俺、
いや、そもそも1限開始のギリギリまで登校してこない。
詰まるところ、彼女はただの遅刻常習犯なのだ。
今日もまた寝坊やら何やらで遅刻して——っ。
俺がそう思った矢先、教室の引き戸がパシャんと開け放たれる。
白金のストレートヘアで目元の濃いギャルメイクと水色のネイルをバッチリキメた、琴崎が教室に入ってきた。
「おい琴崎! 今日という今日は許さな——」
「…………」
琴崎は無言で加藤の方をギロっと睨みつける。
加藤はムキムキ体育教師ではあるが、筋トレのしすぎで身長が160くらいなので、琴崎が見下すような形だ。
「な、なんだ、その目は!」
琴崎は目で威嚇だけして、俺の前にある自分の席に腰を下ろした。
彼女はクールで無口なギャル。
見た目は派手なのにどこか冷酷な雰囲気があり、異性同性どちらも近寄らせない。
彼女は入学式の呼名でさえ、無視を貫いた学年で有名な無口ギャルなのだ。
彼女の声を聞いたことがある人間はいないと断言できるくらいに、彼女は一切喋らず、返答を求められた際も軽く頷くくらい。
変人と言ってしまえばそうなのかもしれないが、彼女が喋らない理由は誰も知らない。
まあ……ただのクラスメイトである俺には関係ないよな。
ずっと、そう——思っていた。
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