ぼくのやること

『あはははは!久しぶりだなぁ、人の肉食うのは!』

「はっ・・・!!!はぁはぁ」


もう太陽もしずみかけてる空のもとでぼくは今日もとび起きる

太陽がしずみかけてる時間に起きるのは何も今日だけじゃない

いつも人をにくにするせいでねる時間がすごくおそくなる


そして、まい日同じゆめを見てはこの時間に起きる

あの悪むのような日、ぼくの人生をねじ曲がらせた

今でもあの日をゆめに見る、そのゆめを見てはとび起きる


それはきょうふだけじゃない

今自分が、にくきかこのはん罪者と同じことをやっているという事実

それに対しての戸まどいとか、こうふんとか、あるいはけんとか

そういうものに対して、い和感を覚えてとび起きる


そう、ぼくが今していることは

ぼくの家族を殺したやつらと同じこと

人でにくを作っている


何でこんなことをしているのか

それは、ぼくの人生をこわされたから

まだきぼうが少しでもあったぼくの未来を消されたから


ぼくの人生をこわしたのは何もあいつらだけではない

家も親もいないぼくをばかにする、そんなやつらにも

ぼくは人生をこわされた


「今日はだれにしよう」


今までぼくをばかにするやつは山のようにいた

それこそ、りょう手を何回か使っても数えきれないくらい


例えば小学校のクラスの中心の男の子

ぼくはようち園でりょう親をなくした

それをばかにしてきた、ふざけんな


例えば意地悪なやつ

ぼくがせいしん的ショックでまともに勉強できなかった時

あいつはこういった

『おまえ漢字かけないのか!親に教えてもらわないのかよ!あ、いないのか!』

何言ってんだお前、さっさといなくなれ


何もりょう親を殺したやつだけがぼくの人生をうばったわけじゃない

こいつらの悪口に、どれだけこころをけずられたか

どれだけ死にたくなったか


「今日はだれにしよう」


かえるところもばかにされた

児童相談所にかえるのを見られてくすくす笑われた

次の日からは家なしコールというものをされた


その後引き取ってもらった里親にはぼう力をふるわれた

せい神的にもにく体的にも弱ってたぼくには

たいこう策が無かった。だから、この前殺した


「今日はだれにしよう」


昨日は昔いじめてきた同級生を殺した

そうだ、今日はその同級生の友達だったやつにしよう

悪口をたくさん言ってきたやつをつかまえに行こうかな

そしたら、ミートチョッパーにいれてぐちょぐちょにするんだ


「そしたら、ぼくの心のぐちょぐちょはなくなるよね」


人をにくにするとき、ぼくが味わってきたいたみを感じてると思うと

とたんに気分がよくなる

これこそ因が応ほう、ってやつだ


「あいつの家はおぼえてる」


だいぶむかしのことだけど記ろくを付けてある

早速向かおう

どんな顔するんだろう、楽しみだな


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ここからが本番

これは完全はん罪、しょうこが完全に残らないようにするには

しっかりとした準びと手じゅんが必要だ


どうやって家に入るか、出るかを探る

     ↓

殺した家庭が何人なのかをかくにんする

     ↓

殺した家からぼうはんカメラのないけい路を探す

     ↓

ゴミ袋をたく山つけた自転車とふくらました風船を入れたふくろを用意する

     ↓

かくしておく場所を探す

     ↓

ぼろぼろの服に着替えて、その上から黒い服を着る

     ↓

午前2時くらいまで待つ


こんな感じだ


全部に意味がある

何か一つでもかけた時はきっと

たいほ、つまりは死刑になる

いままで色んな人たちをにくにしてきたから

どんなに刑が軽くても死刑になる


だから、つかまるわけにはいかない

ぼくの未来をうばったやつらと同じ道はたどりたくないから


これは世間的に見れば完全はんざい

だけど、ぼくにとっての自己の正当化であって

ぼくにとっての正ぎ


だって考えてみて


死者を言葉でぐろうして、

生き残りは自殺に追いこませようとしてる

本人たちにその気がないとか、そんなの関係ない

そんな奴らこそ


死刑になるべきなんだよ


でもそれをけいさつも国も手を出さない

だったら、それはぼくがやる

ぼくはぼくの正ぎのためにももっと人を殺さないといけない


「今日も完ぺきに」

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