give it back
アオイ・M・M
[Ⅰ] 承
歯は磨いたしシャワーも浴びた、体も洗ったし服はこの日のためにクリーニングに出したものを着て来た。ファッションセンスだけはいかんともし難いが、比較的センス自体は信用できる悪友にチェックを頼み、『アリかナシで言えばまあアリ』とのお墨付きをもらったので加点要素にはならずとも減点要素にはならないはずだった。
酷く喉が渇いているが、冷蔵庫に叩き込んだミネラルウォーターと麦茶のボトルはこれからやって来る彼女に選んでもらうための物で、今手を付けるわけにはいかない。
そう、事の発端は悪友、――
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