第274話 息子さんをください!
アオキ先生の驚きの声を聞いて、
集まって来た猫たちにも、「ぼくのお父さんとお母さんです」と、紹介した。
「お父さんとお母さんが、お
「じゃあ、シロちゃん、この
約1ヶ月半も、この
100年近く生きられる人間と、どんなに
ぼくはもうすっかり、この
この
ぼくだって、仲良くなった猫たちとの
だけど、ずっとここにはいられない。
ぼくには、お父さんとお母さんがいて、旅の目的があり、帰る場所がある。
ぼくは、集まってくれた猫たちに1匹ずつ、ちょんと鼻と鼻をくっ付けて
「ミャ」
長い間、お世話になりました。
皆さんに助けてもらえなければ、ぼくはあそこで死んでいました。
助けて頂きまして、本当にありがとうございました。
「シロちゃん、もう行っちゃうナォン? 悲しいナォン……」
ハチミケはボロボロ涙を流して、ぼくをギュッと抱き締めてくれた。
「また来ます」と、約束は出来ない。
この
ここで
そう思ったら、ぼくも悲しくて涙があふれ出す。
「ミャ……」
ハチミケお母さん、今まで本当にありがとうございました。
ハチミケお母さんに
さようなら、ぼくのもうひとりのお母さん。
「こちらこそ、ありがとうナォン。短い間だったけど、あなたのお母さんでいられて、とても幸せだったナォン。行ってらっしゃい。どうか、元気でナォン」
ハチミケはぼくを
涙を流しながら、にっこりと
その
「シロちゃん、行かないでにゃあっ! ずっと、ここにいてにゃあっ!」
今度は、アオキ先生がぼくを抱き締めてきた。
ハチミケと違って、アオキ先生はめちゃくちゃ引き
お父さんとお母さんに向かって、
「シロちゃんのお父さん、お母さんっ! 必ず幸せにしてみせますから、シロちゃんをボクにくださいにゃあっ! お願いしますにゃあっ!」
「アオキ先生、シロちゃんを助けてくれたことは、感謝していますニャー。ですが、それとこれとは話が別ですニャー。シロちゃんは、誰にもあげませんニャー」
お父さんは
アオキ先生には助けてもらった
ごめんなさい、アオキ先生。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます