第220話 しんでしまうとは なにごとだ!
水を飲み過ぎたせいか、それとも胃が弱っているのに食べたからか。
なんだか、おなかがゴロゴロして痛くなってきた。
おなかがいっぱいになったら、急に
まだ体力が
うとうとし始めると、グレイさんが小さく笑って、ぎゅっと抱っこしてくれる。
『シロちゃん、眠かったら、寝てくれ。大丈夫だ、オレが側にいる。今度は、シロちゃんをひとりぼっちにはしない。だから、安心して寝てくれ』
「ミャ……」
言われなくても、
お父さんやお母さんのふわふわな
グレイさんのあったかい毛に
落とし穴に落ちるように、ストンと
気が付くと、真っ白な場所にいた。
「また死んでしまうとは
脳内に直接、声じゃなくて言葉が流れ込んでくる。
この感覚は、覚えている。
あなたは、猫の神様ですか?
「そうだ、私だ。 『次は、死なないように気を付けて生きろ』と、言ったはずだがな、少年」
すみません、死んだ
ぼく、また死んじゃったんですか?
「死んだ」
「
「猫パルボウイルスに
ウイルスが入った水って……もしかして、あの水たまりですか?
「その通り。
うわ~……マジか。
あの時は、
まさか、その水が
よりにもよって、グレイさんの腕の中で死んじゃうなんて……。
グレイさん、めちゃくちゃビックリしただろうな。
いや、ビックリなんてもんじゃないよね。
きっと今頃、めちゃくちゃ悲しんで泣いていると思う。
ごめんなさい、グレイさん。
「して、どうする? 少年」
どうするって……まさかっ!
また、生き返らせてくれるのですかっ?
「猫の命は、非常に短い。それに、少年はまだ若い。お前にもう一度、
はい、ありがとうございます、猫の神様っ!
「私はいつでも、少年を見守っているからな。再び、このようなことが起こらぬことを祈っているぞ、少年」
その言葉を最後に、また意識が飛んだ。
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