闇神性児 第五部

水瓶

第1話 獣人国収容所

 小高い山腹の鶏舎場で決められた時間に餌をあげては蟹張は汗を拭っていた、農場の風に吹かれ空を見上げれば得体の知れない陰が雲に消える。蟹張はふと空腹を覚え唾を飲み込んだ、自身の人肉嗜好の起源に思いを馳せ12歳の記憶を手繰り寄せる。…人は肉を食すのに何故人肉は市場で売られていないのか!?感情の欠落した彼は、それは最高の肉質を具えているからに違いないと勝手に妄想した。玉蜀黍の匂いに彼は思い出に侵入すると、過去の出来事を振り返った。手に入れ易い人肉は風俗街の人間なら容易かも知れない。先ず働き口を男色家の集まるバーに決めた。

彼は容姿もあどけなく幼児愛好家の格好の餌食となって行った。

政財界のお偉方にも寵愛され、彼は抱かれながら考えた。

この巨根、どう調理すれば食材として適するのか。

試行錯誤の為の食材は困らなかった。戸籍もなく失踪者達がいる夜の風俗街。娼婦や密売人が多数出入りする酒場で彼が眼をつけたのは快楽に逆らい切れず身体を売る女達である。彼女達を言葉巧みに誘い、地下室に連れ込み数時間退屈な身の上話に相槌を打つ、其後は静かに眠らせ解剖すると適した部位に振り分ける。人肉のレシピ帳は数冊に増えていった。

そんな事を夜毎繰り返していた蟹張であったが……あの日我欲に逆らえず犯した罪が敗因になろうとは!彼はしくじった。

有名人の死体が取引されるという罠に嵌められてしまった。


 蟹張進は空に向かい射精するが空が妊娠する事はない。だが雷が鳴ったり夕立が降ると彼は懐妊だと泣き叫ぶ。その声は鶏舎の鵞鳥を発狂させ生物を腐らす、被害は数しれない。10代の彼はピアニスト志望であったが、現在鍵盤を弾いた指はゴミを分けモテ期にアソコを弄った鋭利な爪は肛門を探る検便魔に変化した。

手指の使用法は外敵の攻撃を避け倒すと臀部を拡げ肛門から針を刺す。

内蔵迄鋭く延びた爪は臓器を掻き毟り肛門から六腑を引き抜く。

死体置き場で内蔵が引き抜かれた死体は彼の仕業だ。

……また泡を飛ばし相手の気管支を塞ぎ窒息死させる、若い男をバーで探し薬を飲ませ密室でカメラを回し手淫を死ぬまでさせる。死体の肛門から大腸を引き摺り出し襟巻にして写真を撮る等の趣味がある。


 …一月前に仏像破壊で収檻された臭菌帝は労働の為に納屋に籠ると肛門に隠していた脱走者の指肉をしゃぶる。強姦房の囚人達は逃亡未遂で耳や指を切断される刑罰を受け手指ゴミ箱行きで誰でも空腹者は食せる。


…6人部屋で同居した一人、岡波ヒトデは内蔵嗜好の蟹張を恐れて遠ざかっていた。もう独り綺麗好きな老人がいた。星狩真千は絶倫男色弄便家である。独房の囚人は金箔を飲み便を金のマッチ棒に変える。原石を飲みダイヤの欠片にする事も出来るが痔になるのと臭いが強烈なのでマッチ売りの少女に売らせても買い手は無いらしい。彼は女装して少年を誘い出す手口で2万人斬りと謳われる紳士でもある。留置所では良くヒトデの布団に添い寝と称して手を入れ肛門をまさぐる。蟹張は食事時間を彼等と過ごす!


…岡波ヒトデはお笑いタレントだが相方を突き飛ばし死なせた。

「私は金玉はあるのですが玉乗りは出来ません」「竿はあるんですが洗濯物は干せません」

彼の話は周りの者を機嫌良くする。一人食事中に漫談をする。グルメフェアがみんなのお気に入りだ!

「すみませんあなたの舐めさせて下さい」良いわよ「遠慮します膿がでて腐っています」

「すみません僕の甜めて下さい」

良いわよ「遠慮します牙が生えています」

隠しネタ!俺は陰核掃除大臣だ!マンカスをくれ!政治に音痴な人間がタイムスリップして掃除大臣になる話!

……質疑を行います!陰核掃除大臣!アヘモレソウ君!

「ナニ俺がなにか云うのか、芋を喰ったばかりだぞ!腸の調子が良い屁が漏れそうだ!」

答弁をお願いします!

「ナニ弁当を喰えだと!それでは遠慮なく」違います答弁です。

「ナニ此処で糞をしろと云うのか!仕方ない、屁の次を頑張ろう!」

……閉会(屁えかい)

この男をつまみ出せ!

…答弁はネタの中でも風刺が効いて素晴らしい!



……退屈な獄中生活にも笑いは必要だ!看守の奴は愉しい時間を無くそうとした天罰を受けた!

蟹張と臭菌帝の会話!なあ〜、あの野郎は下品で生意気で野蛮で体臭が臭くて脂ぎっているから、ガソリンかけたら良く燃えるだろうな!

厨房で猪族の看守は翌日炒められていた。

 

… ヒトデは回想する。あの日の私はもう居ない!……フラッグポールに穴を挿され天空を仰ぐ。骨を抜かれた女が日光を臀部に浴び干乾びていく。女体旗が浮かぶ浜辺食堂にヒトデは来ていた。店では貝の味噌和え等店長が料理の説明をします。此れは貴婦人の脳味噌と乞食の大腸に溜まっている滓を秘薬混ぜ特定味噌にしてあるんです、イーピンの輪切りを添えてあるでしょう!美味しく無い訳が無い。

そわそわとトイレに立つとハンバーグを仕込んでいる。ヒトデさん!次の料理は金玉と眼球が添えてあるタマ玉焼きバーグ!美味しく無い訳が無い!男根おろしは冷蔵庫でカチカチに凍らせた獣人のモノです!

宇宙から飛んできたマグロ!地底人のもつ煮込み!厨房で鼠を炒めながらシェフはディナーのコースを考える。外道が喰うもんなら猫や鼠でも構わない!人間に出す献立ではない、ヒトデは哀しみに襲われると店を後に収容所に戻った。

♪〜人を愛し人の為に生きる、愛の漫談家!私は何者だろう!

鉄条網の柵を握り放牧された人間を観るヒトデは時に自分の存在を忘れる!…農場の者は餌に成る運命だ!

私は不適格者で良かった!



 蟹張進と臭菌帝は作業場で相談する。二人で行なう木工作業はコンビネーションが大切だ。

一人がドリルで穴を開けもう一人が裁断機を操る。一つ間違えば手首ごと切断される。痩身で美顔の進は人前で上着を脱いだ事がない。理由は乳首が金色で臍にもある為だ。彼等の掛け声は息があっている。ヘイホーインポー!首切スパッツ!此の声が響く時作業場は緊張の静寂が流れる。

相棒の臭菌帝は作業が終わるとシャワールームで汗を流す。彼の睾丸は数え切れ無い程連なり、陰囊は葡萄の房の様だ。尻尾は長く先が二又に分かれている。普段体に巻き付けているが怒ると鞭の様に扱う事が出来る。蟹張も一緒にシャワーを浴びる。彼の好物は人肉ホルモンだ!看守に賄賂を渡し死刑囚の臓器を手に入れる。彼の犯罪歴は異常だ!女体の乳房を噛み切り女陰に詰め込み喜び眼球を串刺しにして咥えさせる。

人肉オブジェ愛好家の側面ももつ。

蟹張進は羽田茅郎の穴を狙う、内蔵が喰いたいと、いつも涎を飲み込みシャワールームの影を覗いていた。



 事件は起こった!看守と餌の取り合いで敗北した朕光が火薬庫に立て籠ったのだ。説得に応えたのは自死という決着だった。

死体は蛆から蠅へそして蛹へと繰り返すと云う。自爆した学会員、鯰蝦蟇朕光の肉片が倉庫内に散らばる。

壁に付着した眼球を肴に毒草酒を飲んでいる。蟹張はゲロ色の朝日が条虫雲の隙間から屍峠に降り蛆虫の川を渡るのを割れた窓から見る。

赤ら顔で臭菌帝は肛門から泡を吹き黄色いソファーに足を投げ出す。

排泄が止まらないと胎内エネルギーを糞尿に全て吸われ、魂も糞尿に摂られ汚水槽に流される。

残っている身体は便所で干乾び木乃伊になるという。

……「この眼球は絶品だね」

朕光は人間の皮を被った朕光鯰だった。眼玉を鼻まで垂らし鰓を動かし身体に寄生させる女神で下半身を愛撫する。

なあ聞いてくれよ!本当なんだ!

朕光の背中に鯰が棲む沼がある。

あいつの指は蛞蝓で体液が滴る異形だ!

……そうか!噂じゃ無かったんだ!

あいつは収容所芸能部だったな!自ら会長を名乗った愚か者だ!

思い出すな〜!あいつはパラリンピックに出ていたな!血と泥に塗れ蝦蟇と鯰を袋に詰め込む競技で優勝した!蚯蚓の天麩羅、燻製男根をしゃぶりパレードに出ていた。口の周りにゴキブリ潰した滓を着けて胴上げされていた。

いまは、俺達のつまみになっちまった。


 もごもごと唸り声を上げ床に散らばる肉片を摘み蟹張は妄想した。

……あ〜頑強な男に金玉しゃぶらせて鼻の穴に精液をかけたい、女陰を臍まで切裂いて頭を入れ売春婦や子供を切り裂きたい、頭蓋骨に穴を開けて脳味噌に射精したら大鍋で赤ん坊をグツグツ煮たい、憧れだ!此処を出たら叶えるぞ!

ぐらぐらと地面が揺れて来た!

おっと、チンボ弄ってる場合じゃない!避難だ!蟹張は妄想の時間を切ると食事を中断した。


 転がっていた頭蓋骨の蓋を開けると脳味噌を摘み口に含むと臭菌帝は考えた。ありもしない世界を信じる奴等はおめでたい奴等だ!

世界は何度も終わっている。再生〜繁栄〜滅亡!その先は廃墟復興繁栄滅亡!廃棄人間回収車がアナウンスしている。不要老人処分再生します。臓器バンクにて部品買い取ります。おい!俺達みな処分だな!臭菌帝は蟹張の肩を抱き見渡した。

…子が親の続きを生きないのは賢明だ!親子の因果関係何かに縛られず、悪の因子の種に逆らわない。

俺は実験をした!街角で浮浪者に一物に巻いた紙幣を見せる!浮浪者達は大概喜ぶ!金に目が眩んだ浮浪者は裏路地に着いてくる。自分の最後の足音に気付かずに!…欠伸を噛み殺し眠そうにしている臭菌帝が鼾をかき転がる姿を見て蟹張は退いた。尻尾がピクピク搖いている。微音を立てると膝が振動してくる。身体の尻尾が垂直になり臭菌帝は熟睡する準備に漂う。暫らくすると鼻提灯が爆発して臭菌帝は我に返る。

うっ〜!俺なにかしたっけ!夢の中で化け物と闘っていたような!

…さあ早く朕光の死体片付けないとな…!



 羽田茅郎は小説を執筆する。垢皮賞を取る多彩な人間でその名の通り露出魔の裸野郎だ。徹底した善人崇拝で悪側を斬り落とす。代表作おちょんぽ太郎のセンズリ大冒険は死神食堂で恩師、友人、行きずりの人達がフルコースを御馳走された後、肛門島で処刑される。おちょんぽちょん切りの刑罰や、尻汁塗りたくりの刑罰に処す。獄中にはおまん公爵おなに男爵スぺルマ星人男根役者勃起魔神ざーめん大王精液少年肛門伯爵脱糞殿下まら汁将軍弄便大統領睾丸大臣陰囊皇帝肉竿天女女陰校長膣穴皇女陰核社長等が投獄され処刑を待っていた。一同は大鍋に入れられ入浴中煮られたと言う。

此のお話しはゲーム化、映画化もされた。

次回作死者の國に送られた太郎を描く物語は不発だった。

生きながら死者の國で太郎が幸せ団子を作っては皆にあげる。

身体の垢を擦り固めて神仏を作れる太郎は三途の川で身体を洗い血塗れになる。落ちた皮と血が集まり鬼神になり太郎を食べると云うお話し!?……生きながら鬼村に送られた太郎は幸せお団子を作っては皆に与えます。身体の垢を擦り出して神仏を作れる太郎は風呂上りに身体を擦るが垢が出ず皮が剥がれ血塗れになる。皮と血の塊が集まると太郎は魔神を造り鬼村を支配しました。鬼村では奇病が流行っていました、すべての突起物が平らになる副作用、最果ての地で自生する萬苔茸を食べた鬼助は顔がのっぺら病になる。

指や性器など突起物がすべて丸くなりもう怖い鬼では有りません。みんなに笑われて村八分にされました。

そんな時…隣の危ない人間国がミサイル撃ち空が火傷しました。地球は怒り嘆き滅び、鬼王の城は石の模型となり語り継ぐ歴史も紙に遺っただけ。幸せ太郎は指切る冷たい風を頬に辿り着く笑顔隠して閉じ籠もる鬼助の息を感じました。寝返った鬼助は壊されたママチャリの鉄を武器に変え土にスポークを挿し闘いに来ました。廃墟の町並み乾いた砂が舞い眼に怒りを燃やす町で決闘です。

泪飛ばして立ち向かう鬼助と鬼達の遠吠えが聴こえます。太郎は加勢のため垢から魔神を造り人間国に侵攻しました。100歩進むと人間は踏み潰されて太郎の勝です。大岡裁判で鬼助はのっぺら病治療の為、追放されました。やはり出るとこは出て凹んだとこは凹むのが良いのです。


…また恐竜アナルザウルスの標本を欲しがる「菱形マルオ」は出っ歯ですぐ威張りたがる能無し看守だ!子供の頃は朝勃ち治まるまで布団を被っていた。通学途中突然おっ勃った事もある。学校の屋上に駆け昇り下界に向け扱き続けた。

脂ぎっていた出っ歯君と村人から渾名された。息子よ!なぜお前は元気なんだ。女学生と話すとテントを張っていた。青春学園でキャンプして扱いても、扱いても、臍に張り付いて治まる事なく数日が過ぎた。

寮母から最近パンツが汚れてると見抜かれて学校で笑われた。

全寮制の看守学校では成績は良かったが奇行が目立った。

早慶警備会社で祝日バイトしたが、包茎と言って首になった。算盤塾の前で願いましては早漏と叫び石をぶつけられる。陰茎を握り鋏でちょん切り金槌で睾丸を潰したら女に成れると夢想し、飼犬を連れて川遊びする少女を拐かし上下の口に石を詰めていたら飼犬に噛まれ、娼婦の陰毛掻き分け穴拡げ注入したが、乞食に髪を剃られ橋に括られ晒し者にされる。また大衆浴場で肛門を弛め湯船を黄金色に染める等、数知れぬ行為の果て獣人収容所に配属された。染物が得意と履歴書に書いてある。…



 5号棟で伝染病が発生すると囚人達は医療所から免疫治療を受けていた。その隙を見て逃走した蟹張進は死体置き場で生暖かい死体から脳味噌や内蔵を喰らい身体の筋肉を強くしていた。島の外れに小舟を発見した蟹張は嵐の中、男色家の島に漂着した。星狩を置去りにして一難を逃れた。再び小舟で脱出して草原に着いてからは虫や昆虫、野ウサギなど餌に困らず視力や思考力も戻った。漫談小説家、裸野郎は褌を解き食べ過ぎでげっぷを出す、垂れ下がった腹を揉み、我慢は良くないとゲロ汁を吐くと空を仰いだ。一方で臭菌帝は恩赦で出られた日を思い出していた、たまたま伝染病と重なったのだ。舌を出して刑務所の便所に糞で書いた「無罪」ニヤニヤして半魚人を拷問する歓びに胸弾ませた。メビリー地域のエリアに戻る頃には体力知力とも恢復しているだろう!待合わせの場所で再会した蟹張の方を向くと羽田茅郎の背中をさすり微笑した。



 囚人仲間と別れた羽田茅郎は死神食堂で久し振りに寛いでいた。窓に頬を載せて食とは…口から入り肛門から出る滓であると熟考していた。此の店の人気メニューはうんこを蓮根に詰めて揚げる大便蓮根だ!食中毒で昨年有名になったが接客は悪く無い。羽田茅郎は食事を摂る。御主人!注文宜しいですか?

先ずは蜥蜴串焼き、深海魚の煮付け

磯巾着の壺焼き、真っ赤な血を吸ったおりもの、猿の脳味噌、其れに鼬の小便泡を麦酒、シェフはそんなに食べれますかと聴いてきた。うちは量が多いですよ。彼は大丈夫と告げると裏メニューの鼠のレバーを追加した。周りの席がざわついた、さっき店主がトイレのドア開けっ放しで食パン持ってケツ拭いてたが其の後に出たのがコレだ!サンドイッチに何が挟んであるんだ!

獣人カップルが写真を撮っている。そう云えば鶏冠を立てた女性が戸惑っている。ウエイターが個室から丼に載せて出てきたのはとろろそばだ、チャックが開いて先が見えた。此のレストランは衛生上問題がありそうだ。他の客も小声で話している。此の店そういう店だったのか!

羽田茅郎は背筋を伸ばし、太鼓腹を叩いて催促した!  

…でもお客様!串焼きは大蜥蜴ですし、深海魚の煮付けはバケツで出します!猿の脳味噌はサッカーボール程有りますし、鼠のレバーは2キロ程有ります。宜しいですね!

 

……店内の客は次々と救急車で搬送されオーダー全てを平らげた羽田茅郎がシェフと談笑していた、お客さん!全裸で寒くないのか!

羽田は皮膚が厚いから全然寒暖に応えない体質だと話した。

羽田の皮に興味をそそられたシェフは笑いに含みをもたせた!……夜明けを三度跨ぎ酒を勧められ寝入った隙に皮を剥がされるとは、羽田茅郎は想わなかっただろう!



 男色家の島を抜け出した星狩真千は3ヶ月振りに街に着いた、優雅にお茶を飲んで小一時間ほどしてカフェを出る時、レヂで忘れ物したと店員に呼び止められる、…あの…私!お金払ったし…携帯持ってるし…何か忘れましたか!トイレに大事なものを忘れたからと、レジ横に置かれた折詰を渡された。

怪訝に思いながら中を確認すると紙に包んだ粘土を見つけた。

此れはなんですか?誰か流し忘れましたかと聞いたが強引に渡された。…おかしい!大はしていない。と言うかトイレにも立っていない。

だが、面倒臭いので反論もせず折詰を自宅に持ち帰った。

家では粘土と念じ大便細工で鳥を造った。なんと、動いた!翌朝からトイレで出すたび念じ大便細工で作品を増やした。財を成そうと硬化や紙幣を造ったが使用は出来なかった。動植物は成功率が高かった。後に大便作家となった。

……個展の会場で星狩は回想した。まだ作家として名も無い頃である。小学校の通路で何時もうんこを捏ねた、捏ねて造った造形を列べて値札を付けていた。売物に子供は糞爺と叫び石や泥をぶつけていた、中には壊して逃げる者も居た。

星狩は独り言を云う。俺の友人の自転車乗り芸人が隣でガソリンを飲むと小便に火をつけた。そいつは火の小便をしながら視聴者の手紙を読む。…今日は小学生の投稿から偶然旧友の星狩を紹介します。糞は捨てるものなのに彼は藝術品を創造します。星狩はラジオで紹介されて有名人になった。収録の度に便所を汚し捲り清掃員に始末させた星狩!清掃員も我慢の限界だ!人は最期に一花咲かせると云うが、星狩も局の便所で糞を喰うとは想わなかっただろう!




羽田茅郎…死亡

鯰蝦蟇朕光…死亡

蟹張進……生存

臭菌帝……生存

星狩真千……瀕死

岡波ヒトデ…不明

菱形マルオ…不明



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