その2 めんどくさがり、ワーンの町に降り立つ
目の前の女神様が色々言っているスキップできないムービーをまったり見ながら内容の整理をすると、
・この女神の名前は「メリーザ」。この世界で信仰されている神であり、ジョブの力をつかさどっている
・この世界は魔王が支配しており、罪もない人々が苦しめられているから助けに行ってくれ
・プレイヤーは階級的には一番下ではあるがこの女神様の眷属の天使
・あまり力のあるものを無条件に派遣すれば、世界の均衡が崩れかねないので成長性はあるがまだ力の弱いプレイヤーを派遣することにした
・まずは力をつけるため、大陸最北端の魔王の居城から一番遠い最南端の港町「ワーン」にプレイヤーたちを飛ばす
って感じらしい。天使ならプレイヤーには羽がついててもおかしくないだろってツッコミはあるが、どうやらプレイヤーはこの大陸で活動しやすいように人間を模して作ったのでないらしい。
『それでは私の眷属よ。この大陸に降り立ち、魔王から世界を救うのです』
っと、どうやらムービーがここでひと段落ついたようだ。女神様にお言葉を貰い、俺の体は転送された。
転送された先は港町ワーンの入り口。プレイヤーたちが一気に入ったことで街はかなりの賑わいになっている。流石に入り口で突っ立っていると邪魔になるので、まずは適当にぶらぶらしようと思ったところで、視界の端にメッセージが表示された。
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クエストメッセージ
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【ジョブチュートリアル/テイマー編①:
冒険者ギルドに登録しよう】
まずは冒険者ギルドで冒険者登録をして、
この世界で必要な身分を得ましょう。
報酬:ギルドカード
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ご丁寧に目的地まで案内してくれるらしい。視界には、ギルドまでのルートが赤い線で示されている。詳しい説明を見ると、この処理はチュートリアルクエスト限定のようで、通常のクエストではないようだ。あれば楽できるからいいと思ったが、βテストで導入した結果テスターたちから歯ごたえがないと不評だったので通常のクエストでは削除したとのこと。
このルートに従わずにぶらぶらしようとも思ったが、下手に動いて捕まり、身分がないまま身動きが取れなくなっても困るので、身分を得るためにクエストに従おう。
たいして混むことなく徒歩5分。目的の建物である冒険者ギルドに着いたので中に入る。するとルートを示す赤い線は消え、今度はカウンターにいる職員の頭の上に矢印が付く。どうやらこの人に話しかければいいようだ。
「いらっしゃい、遣い人の方かな? ギルドに登録するからこちらに手を置いてくれたまえ」
話しかける前、目の前に来た時点で職員は俺に指示を出してきたので、大人しく従う。手を置いてしばらくすると処理が終わったらしく、職員は俺にギルドに登録していることを示す「ギルドカード」を渡してくれた。
「ここからはジョブ別に指示を出すことになっている。君のジョブは?」
「【テイマー】だな」
「なるほど、テイマーか。ならば4番の部屋に行ってくれ。」
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クエストメッセージ
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【ジョブチュートリアル/テイマー編②:
テイマーになる準備、教えの部屋へと足を運ぼう】
冒険者ギルドに登録したら、テイマーについて知る
ために「テイマーの教え部屋」へ行こう。
報酬:ジョブ経験値5P
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今度は正式なテイマーになるための講習。さっきは言及しなかったが、今度の報酬はジョブのレベルアップに必要な経験値。レベル1は10Pでレベルアップできるので、これでちょうど半分になる。
部屋に行くために赤い線の示すままに道を行く。今度は1分足らずで部屋に着く。おそらくこの先でテイムモンスターも用意してくれているのだろう。
部屋に入ると、教官らしき冒険者と4体のモンスター。モンスターの方はテイムモンスターだが、冒険者に対して明らかに弱い。多分初心者用のモンスターなんだろう。
「来たか、それではテイマーについて説明しよう。準備はいいな?」
「はい」
「いい返事だ。では説明に入ろう。
テイマーとはテイムモンスターと共に過ごし、戦うジョブだ。魔法系のジョブではあるが、その実態は他の全てのジョブと全く異なる。モンスターを倒すことだけに重きを置く他のジョブに比べ、テイマーはモンスターを倒すほかにテイムするという選択肢がある。
それにテイマーは体力・魔力に秀でているが、その反面攻撃・速度が劣っており、引き際を見極めるのも重要だ。私は引き際を見極められずに死んでいったテイマーを何人も見ている。
そして最後に忘れてはいけないが、テイマーはテイムモンスターありきのジョブだ。それ故、テイムモンスターとの絆をバカにしてはいけない。特に、テイムモンスターの扱いが酷ければテイムモンスター自らがテイマーとの契約を解除し、テイマーの元を去ることもある。もっと酷ければ【テイム】のスキル自体が女神メリーザ様の力によって削除され、テイマーでいられなくなるだろう」
マジか、正直モンスターに任せる満々だからそれは結構やばいな。一応どのレベルがボーダーラインかは聞いておくか。
「一応かなりテイムモンスター任せにするつもりなんですけど、大丈夫ですかね?」
「程度によるが、虐待や補給なしに働かせるレベルの酷い扱いをしなければ大丈夫だ。ただ、任せるとしてもテイマー自身もある程度は働かないといけないぞ」
うーむ......どこかのタイミングで完全にモンスター任せのフルオート戦略に切り替えようと思ったが、テイムモンスターが離れていってしまうのならば考え物だな。最初の通り、適宜魔法支援を行う半オートを続けるのがちょうどいいか。
「さて、テイマーについてはこれである程度話した。次はテイマーに必要なテイムモンスターを後ろの4体の中から1体選んでもらおうか」
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クエストメッセージ
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【ジョブチュートリアル/テイマー編③:
テイマーの必須項目テイムモンスターを選べ】
まずは冒険者ギルドに登録すると、テイマーは
テイムモンスターを1体テイムすることができます。
4体の中から、好きなモンスターを1体選びましょう。
・ウルフ
・ホース
・キャット
・スパイダー
報酬:選択したテイムモンスター
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半オートプレイの最初のモンスター選びはしっかりしないとな。
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