準備期間

 文化祭まで後ニ週間とちょっととなった今日この頃。僕たちは久々にお昼を一緒に食べてた。


「最近は各々教室の手伝いとかで時間が合わなかったからな」


 そうそう、何ならカケルとは帰り道一緒のはずなのに一緒に帰れてないくらいだからね。皆忙しかったんだよね〜。


「そうね、私たちのところは特にハードスケジュールね。悪質ストーカー先輩に無理言って下校時刻以降も残らせてもらってるわ」


 悪質ストーカー先輩こと生徒会長には僕も何度か遭遇してる。遭遇してる、というよりナナちゃんと会ったらおまけで付いてくるイメージだけど……


「酷い言い様だなー」

「生徒会長?!」


 いつの間にか僕たちの側に立っていた悪質スト……じゃないや、生徒会長。ほ、ほんとにいつの間に?!


「さっきからちょっとずつ近づいてきてたぞ」

「うむ、妾たちがここに来た時にはおったしの」


 冷静にご飯食べながらそう言う二人。どうやらほんとに二人は最初から分かってたみたい……


「お前ら、つまんねーな」

「さいですか」「絡んでこなれば良いじゃろう……」


 二人の二人らしい発言に生徒会長は苦笑する。むぅ、今更だけど生徒会長、高身長で顔も良い。敵かな、ってまぁそんなことはどうでも良くて……


「生徒会長、今日は何用ですか?」

「……えっとお前、ほんとに男なんだよな?」


 殺しますよ?


「ごめんて……」


 おっと、仮にも慕うべき相手にとんでもない暴言が出てしまった。コホン、コホン……えーっと、改めて何か用ですか?


「いや、ナナをたまたま見かけたから」

「「「「気持ち悪……」」」」


 僕たちの声が見事にハモる。生徒会長は酷いなー、と本気にしてない感じだけど割と僕は素で本気で言ったつもり。多分、皆もそうだと思う。


「会長、こんなところに居たんですか。早く、仕事してください」

「あ、副会長」


 副会長はどうも、とだけ言うと生徒会長を連行していく。生徒会長は何か抵抗してたけどズルズルと引きづられていった。

 ナナちゃんが、ちょっと悪い笑い方してる……よしあれは触れない方が良いやつだね♪


「んー、そろそろ昼休みも終わるね」

「そうじゃの……」

「早いな……」

「えぇ……」


 皆に会えることが珍し過ぎて昼休みが夏休みくらい貴重なものに感じちゃう……


「ナル、俺らのとこ楽しみにしてろよ」

「うん、もちろん。楽しみにしてる♪」


 僕とカケルはお互いに笑い合う。


「さてと、私は先に戻るわ」

「んじゃ、俺も行くわ」


 そう言うと二人は先に教室に戻っていった。残ったのは僕とイオリ。そういえば学校で二人きりになるのって初めてかも……


「そうじゃのー」


 んん、イオリならもっと過剰な反応するかと思ったけど、妙に大人しい……むむ、もしかして熱?


「働きすぎはダメだよ?」

「分かっておる」


 そこで会話が途切れる。

 う、うーん。僕、沈黙を気にしちゃうタイプでね、でも何か話さなきゃって思って余計にテンパってきて話せなくなるタイプなんだよね。ど、どうしよ〜、、

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