平行線
「僕のとこはメイド喫茶かな」
「妾はお化け屋敷になりそうじゃの」
「俺たちのとこは……」
「まだ決まってないわね……」
昼休み四人で集まってお弁当を食べながら近況報告をする。ちなみに結局僕は話しを聞いていただけであの話し合いに参加することはなかった、悲し……
「イオリのとこ、お化け屋敷なの……?」
実は僕、お化けとか無理なんだよね……お化け屋敷で泣いちゃったこともあるし……皆は怖くないの?
「霊の類いは実際に出会うたことない故分からぬがお化け屋敷は所詮仮装じゃからな」
「それはそうね」
「少なくともお化け屋敷は怖くねぇな」
ぐぅ、なんでぇ……めっちゃリアルじゃん。怖いよぉ……絶っっ対、イオリのとこには行かない、絶対!
「残念じゃのう……」
「残念じゃないよ!!」
うぅ、この話してるだけでもなんだか寒気が……
よし別の話題にしよう! んー、何かある?
「ナルのとこはメイド喫茶なんだろ?」
うん、なんか安くレンタル出来るところあるみたい。メニューの方はね、コーヒーと子供向けのジュース各種、スティックパンとプッチンプリン、だったかな。
「意外としっかりしてるのね」
うん、でしょ。まぁ、その話し合いに僕は全く参加できてないんだけど……ニコニコで聞いてただけ。実行委員の人は後で聞いてくれたけど、話したくないって感じすごかったなぁ……
「闇が垣間見えるの……」
まぁ不満はないから良いけど。
「ナルはメイド服着るのか?」
ん? 着るわけないじゃん。絶対やだ、断固拒否する。女子だっているんだし良いでしょ。僕は裏方で調理とかするよ。コーヒー淹れるくらいは多分できる。
「そうか………………」
「………………」
「………………」
「………………」
僕らの間に沈黙が降りる。普段なら基本的にずっと話してられる僕たちだけど今日は何か上手くいかないね…………
「…………あの、カケルとナナちゃんは?」
「聞くな」「触れないで頂戴」
……僕たちのクラスは準備段階に入ってる。イオリのクラスは今は必要な物の確認と確かこの前教室に来たイオリのクラスの人が言ってた。
学校でまだ何をするか決まってないのはカケルたちのとこだけだ。
◇ ◇ ◇
「生徒会長、どうしますか?」
「あー、ナナのとこ?」
「一年一組の生徒の名前ならその通りです」
「どした、何か不機嫌じゃねぇか?」
「夏休み中、どっかの誰かが補習でサボりでしたからね。この分の資料は俺が捌いたんですよ?!」
「ハハッ、サンキューサンキュー」
「はぁ……とりあえず、」
「分かった分かった。ちょっと助言してみるわ」
「催促でお願いします」
「はいはい、分かった。んで、何で俺はお前と二人きりで生徒会室で資料捌きながら昼食ってんの?」
「俺もこんな変人と同じ部屋で作業しながら飯食いたくないわ! 我慢しろ」
「はいはい……クククッ」
「きしょい笑い声してんじゃねぇ。はよしろ」
「へいへーい……さて、ほんっとどうすっかなー」
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